この記事の目次(5項目)
  1. 簿記の級の指定は、公表資料にない(2026年10月10日時点)
  2. 出題範囲のどこに簿記・会計が入っているか(資料3)
  3. 10項目の自己チェック(○×・当サイト案)
  4. チェック数別の補い方(当サイト案)
  5. 次の一歩:20問精密診断で、財務・税務の正答率を4科目と並べて測る

簿記の級の指定は、公表資料にない(2026年10月10日時点)

中小企業庁の検討会第4回資料2(2026年3月17日)と資料3(出題範囲一覧)には、簿記検定の級を受験の条件や前提として指定する記載はありません。中小M&A資格試験(仮称)の受験資格は、2026年10月10日時点で公表されていません。

簿記の資格を持っているかどうかと、出題範囲の会計の知識があるかどうかは別のことです。資料3は財務・税務の出題範囲に簿記の基礎知識を小項目として置いているため、級の指定がなくても、簿記の考え方は出題範囲の一部です。

出題範囲のどこに簿記・会計が入っているか(資料3)

資料2は、財務・税務の出題割合を20〜23%程度(現状案)とし、うち税務を3〜5%程度としています。資料2は科目の趣旨を、中小M&Aにおいて専門家連携に必要となる財務・税務の基礎知識と、財務・税務リスクに係る知識を判定するもの、と記載しています。

資料3の「財務基礎」には、簿記の基礎知識(簿記原理、会計帳簿、決算処理)、企業会計の基礎知識(損益計算書、貸借対照表、キャッシュ・フロー計算書、会計ディスクロージャー)、税務会計の基礎知識、原価計算の基礎知識、資金管理の基礎知識、会計基準に関する基礎知識(中小企業会計基準、税務基準)が並びます。簿記の基礎知識と財務3表には、優先出題項目の●印が付いています。

財務基礎の先には、スキームの初期的な検討(企業結合会計、取得原価の配分(PPA)、のれん、連結会計など)、バリュエーション、財務DD、最終契約(譲渡額に関する財務知識)が続きます。簿記と財務3表は、これらの項目を読むための土台にあたります。

財務・税務は60問に換算すると12〜14問前後で、当サイトの60問模試は13問です(いずれも公表された出題割合の現状案からの当サイトの算出値)。科目別の合格最低基準50%程度(現状案)を13問に当てはめると、7問以上の正答が目安です(当サイトの算出値)。

10項目の自己チェック(○×・当サイト案)

次の10項目は、資料3の財務・税務の小項目から、当サイトが簿記・会計の土台にあたる内容を選んで自己チェックにしたものです(当サイト案)。何も見ずに人へ説明できれば○、できなければ×を付けてください。

番号チェック項目(説明できれば○)資料3の小項目
1仕訳の借方・貸方と、記帳から決算で帳簿を締めるまでの流れ簿記の基礎知識(簿記原理、会計帳簿、決算処理)
2損益計算書で、売上高から営業利益までに何が差し引かれるか企業会計の基礎知識(損益計算書)
3貸借対照表で、資産から負債を差し引いた額が純資産になること企業会計の基礎知識(貸借対照表)
4利益が出ていても現金が減る理由を、減価償却費と運転資本の増減で説明すること企業会計の基礎知識(キャッシュ・フロー計算書)
5売上債権・棚卸資産の増加と仕入債務の減少が、キャッシュフローをどちら向きに動かすかキャッシュ・フロー計算書、バリュエーション
6会計上の利益と税務上の課税所得が一致しない場合があることを、益金・損金の言葉で説明すること税務会計の基礎知識(益金と損金、課税所得と税額)
7黒字でも資金が足りなくなる場面を、資金繰りの言葉で説明すること資金管理の基礎知識(資金繰り・資金計画)
8簿価と時価の違いと、簿価で債務超過でも時価では資産超過になる場合があることバリュエーション、財務DD
9譲り受け側が支払った対価が、受け入れた純資産の時価を上回る部分が「のれん」になることスキームの初期的な検討(企業結合会計、のれん)
10バリュエーションの3分類と、時価純資産法がどれに属するかバリュエーション

項目4と5は、公表サンプル問題で示されたフリー・キャッシュ・フローの計算と同じ考え方です。項目8は、財務DDと時価純資産法の両方にまたがる論点です。項目10は、コストアプローチ・マーケットアプローチ・インカムアプローチの3分類で、時価純資産法はコストアプローチに属します。

チェック数別の補い方(当サイト案)

○が8〜10個なら、簿記を一から学び直す必要は小さいと当サイトは考えます(当サイト案)。×の項目だけを確かめ、バリュエーション・財務DD・税務の論点へ進んでください。

○が4〜7個なら、×の項目の小項目名を手がかりに、会計の入門書の該当する章だけを読みます(当サイト案)。簿記検定の受験を目的にせず、×を○に変える範囲に絞ると、他の3科目の時間を削らずに済みます。

○が0〜3個なら、項目1〜4(簿記の基礎と財務3表)から始めます(当サイト案)。当サイトの科目別記事は、財務3表の土台がないままバリュエーションから入ると事例型の設問で崩れやすいと整理しています。

いずれの場合も、チェック数は当サイトの目安で、合否とは関係しません。チェックの後は、四肢択一の問題で財務・税務の正答率を測ると、○を付けた項目を設問の形で使えるかを確かめられます。

簿記検定に合格していないと受験できませんか?

中小M&A資格試験(仮称)の受験資格は、2026年10月10日時点で公表されていません。検討会第4回資料2・資料3には、簿記検定の級を受験の条件として指定する記載はありません。

税務の問題も、簿記の知識で対応できますか?

簿記だけでは足りません。資料3の税務基礎には、法人税、所得税(株式譲渡課税、事業譲渡課税等)、消費税などの各種税金の基本や、役員退職金に関する税務知識が、財務とは別に並んでいます。資料2は税務の割合を3〜5%程度(現状案)としています。

次の一歩:20問精密診断で、財務・税務の正答率を4科目と並べて測る

今日できることは、10項目のチェックを終えたら無料会員登録(約1分)をして20問精密診断(約10分)を受け、財務・税務を含む科目別の正答率と弱点TOP3を確かめることです。簿記の学び直しにどれだけ時間を割くかは、他の3科目との差で決まるため、試験日が2026年10月10日時点で公表されていない今のうちに4科目を並べて測っておく価値があります。無料会員の結果はマイページに保存され、次回の結果と比べて弱点の変化を確認できます。無料会員登録では、試験日・申込方法・受験料などが公表されたその日に要点メールを受け取る設定を任意で選べ、いつでも停止できます。