この記事の目次(8項目)
  1. 正式名称は「中小企業M&A実務能力・倫理検定試験」——2026年10月30日に公表
  2. なぜ「中小M&A資格試験」という別の呼び方があるのか
  3. 名称が示す試験の設計——「実務能力」と「倫理」の2本柱
  4. 合格しても独占業務はできない
  5. 令和8年度試験について公表されていること(2026年11月2日時点)
  6. 公表されていないこと(2026年11月2日時点)
  7. 紛らわしい名称との区別
  8. 次の一歩:名称の2本柱のうち、自分がどちらで失点するかを確かめる

正式名称は「中小企業M&A実務能力・倫理検定試験」——2026年10月30日に公表

中小M&A資格試験の正式名称は「中小企業M&A実務能力・倫理検定試験」です。中小企業庁は2026年10月30日、令和8年度中小企業M&A実務能力・倫理検定試験を実施すると公表しました。それ以前は試験の正式名称そのものが公表されておらず、解説や報道では通称が使われていました。2026年10月30日以降は、中小企業庁の試験案内ページ、経済産業省の報道発表、試験事務局のいずれも正式名称を使っています。

正式名称は、年度を頭に付けた「令和8年度中小企業M&A実務能力・倫理検定試験」という形で公表されています。中小企業庁の報道発表の表題も「令和8年度中小企業M&A実務能力・倫理検定試験を実施します」です。年度部分を除いた「中小企業M&A実務能力・倫理検定試験」が、制度としての名称にあたります。

なぜ「中小M&A資格試験」という別の呼び方があるのか

「中小M&A資格試験」は、中小企業庁の公募・委託の段階で使われていた事業名に由来する呼び方です。中小企業庁が2026年3月27日に募集を開始した事業の名称は「中小M&A資格試験実施事業」で、2026年5月1日に公表された委託先の採択結果も同じ事業名で示されました。事業名が先に表に出たため、試験の正式名称が公表されるまでの間、通称として「中小M&A資格試験」が使われました。

2026年11月2日時点では、正式名称と通称はいずれも同じ試験を指します。中小企業庁と経済産業省が公表する文書で使われているのは正式名称です。情報を集めるときは、正式名称と通称の両方で調べると、官公庁の公表資料と解説記事の双方に届きます。

名称が示す試験の設計——「実務能力」と「倫理」の2本柱

正式名称は、この試験が何を測るかをそのまま表しています。名称には「実務能力」と「倫理」が並んで入っており、公表された出題数の配分もこれに対応しています。中小企業庁が2026年10月30日に公表した出題科目・出題数は、全60問程度のうち、M&A実務が22問程度(中小M&A市場動向/中小企業政策関連を含む)、財務・税務が13問程度、法務が10問程度、倫理・行動規範が15問程度です。

倫理・行動規範の15問程度は、全60問程度の約25%にあたります(計算値)。これは法務の10問程度を上回り、財務・税務の13問程度も上回る配分です。名称に「倫理」が独立して入っていることは、この配分と一致しています。M&Aの試験という語感から財務や法務の比重を想像しやすい一方で、公表された配分では倫理・行動規範が4科目のうち2番目に大きい科目です。

試験の目的についても、中小企業庁は名称と同じ観点を示しています。中小企業庁は、従来の「支援機関(組織)単位の規律」に加えて、支援者個人の中小M&A支援に関する能力・倫理観に着目し、支援者の知識・スキル等の底上げを図るための新たな施策として本検定試験を実施するとしています。組織単位の規律としては中小M&Aガイドラインの遵守徹底とM&A支援機関登録制度の運用が先にあり、個人の能力と倫理観を見る枠組みとして検定試験が加わる、という位置づけです。

合格しても独占業務はできない

この試験に合格しても、業法に基づく独占業務を行えるようにはなりません。中小企業庁は、本検定試験の合格は既存の業法に基づく独占業務の実施を可能とするものではないため、合格者が実務を行う上では、業法に基づく独占業務(弁護士、公認会計士、税理士等の士業のみができる業務)に抵触しないよう留意を要するとしています。名称に「実務能力」と入っていても、名称によって業務範囲が広がるわけではありません。

令和8年度試験について公表されていること(2026年11月2日時点)

令和8年度試験の試験日は、令和9年(2027年)1月28日(木曜日)・29日(金曜日)・30日(土曜日)です。受検者はこの3日間のうち任意の1日を選択し、当該日のみ受検できます。試験方式はCBT(Computer Based Testing)、試験時間は120分、出題形式は多肢選択式(四肢択一)です。受検は全国約170の試験会場で可能です。受検資格については、年齢、学歴等に関係なく誰でも受検することができるとされています。

試験の運営主体は中小企業庁です。問い合わせ先は中小企業M&A実務能力・倫理検定試験事務局で、中小企業庁事業環境部財務課が担当課、本事業の委託先は株式会社銀行研修社です。

公表されていないこと(2026年11月2日時点)

受検料は2026年11月2日時点で公表されていません。中小企業庁は、受検料の詳細を受検案内の公表時に案内するとしています。具体的な受検申込み方法も2026年11月2日時点で公表されておらず、中小企業庁は申込み方法等を記載した受検案内を11月中に公表する予定としています。合格基準、ならびに合否発表の時期と方法も、2026年11月2日時点で公表されていません。試験会場ごとの詳細も、受検案内の公表時に示されるとされています。

公式テキストについても、2026年11月2日時点で公表されていません。出題範囲については、中小企業庁が2026年10月30日に出題科目詳細を公表しています。

紛らわしい名称との区別

正式名称に「検定試験」と入るため、民間の検定・資格と区別して扱う必要があります。中小企業M&A実務能力・倫理検定試験は、中小企業庁が運営主体となり、株式会社銀行研修社が事務局を務める試験です。これとは別に、M&A支援機関登録制度があり、こちらは登録FA・仲介業者を対象とした組織単位の登録制度です。民間団体が独自に実施するM&A関連の検定や資格は、本検定試験とは別のものです。

次の一歩:名称の2本柱のうち、自分がどちらで失点するかを確かめる

この記事を読んだうえで今日できることは1つです。名称が示す2本柱——「実務能力」と「倫理」——のうち、自分がどちらで失点するかを無料の実力診断で確かめてください。名称の順序では「実務能力」が先に来ますが、公表された配分では倫理・行動規範が15問程度で、法務の10問程度と財務・税務の13問程度をいずれも上回ります。どちらで失点するかを先に把握しておくと、試験日である令和9年1月28日から逆算して、残りの期間をどの科目に寄せるかを決められます。

無料登録をすると、診断と模試の結果が保存され、次回以降の学習に使えます。

中小M&A資格試験の正式名称は何ですか?

正式名称は「中小企業M&A実務能力・倫理検定試験」です。中小企業庁が2026年10月30日に公表し、令和8年度の試験は「令和8年度中小企業M&A実務能力・倫理検定試験」と表記されます。

「中小M&A資格試験」と「中小企業M&A実務能力・倫理検定試験」は同じ試験ですか?

同じ試験です。「中小M&A資格試験」は中小企業庁の公募・委託で使われた事業名「中小M&A資格試験実施事業」に由来する通称で、試験の正式名称は2026年10月30日に公表されました。

名称に「倫理」が入っているのはなぜですか?

出題配分と試験の目的に対応しています。倫理・行動規範は全60問程度のうち15問程度を占め、中小企業庁は支援者個人の能力・倫理観に着目した新たな施策として本検定試験を実施するとしています。

合格すると何ができるようになりますか?

業法に基づく独占業務ができるようになるわけではありません。中小企業庁は、合格は既存の業法に基づく独占業務の実施を可能とするものではなく、弁護士、公認会計士、税理士等の士業のみができる業務に抵触しないよう留意を要するとしています。

受検料と申込方法はいつわかりますか?

2026年11月2日時点では公表されていません。中小企業庁は、具体的な受検申込み方法等を記載した受検案内を11月中に公表する予定としており、受検料の詳細も受検案内の公表時に案内するとしています。

正式名称がわかったあと、今から何を準備すればいいですか?

まず名称の2本柱のうち、どちらで失点するかを確かめてください。倫理・行動規範は全60問程度のうち15問程度で、法務の10問程度を上回る配分です。無料の実力診断で科目ごとの現在地を測ると、試験日である令和9年1月28日から逆算した学習の重心を決められます。