この記事の目次(10項目)
- 「中小企業M&A検定試験」とは——中小企業庁が運営する個人向けの検定、初回は令和9年1月28日〜30日
- 制度の全体像——受検→合否→登録→更新の4段階を、確定・受検案内待ち・案に色分けする
- 第1段階 受検——発表で確定した事項と、受検案内で示される事項
- 第2段階 合否——発表の時期・方法は受検案内、合格基準は検討会資料の想定3層
- 第3段階 登録(案)——合格だけでは登録されず、誓約書・登録講習・欠格事由の確認が加わる
- 第4段階 更新(案)——誓約書+更新講習を3〜5年ごと、有効期限は「期限なし」と「一定期間」の2案
- 関係する制度の位置づけ——ガイドライン・支援機関登録制度(事業者)・検定試験(個人)・合格者の登録制度(案)
- 令和8年度(初回)で決まっていること・公表されていないこと——段階別の一覧
- 初回受検までの約3か月——11月は土台、12月は申込と演習、1月は本番形式
- 次の一歩:無料会員の60問模試を120分で通し、4段階の入口である「受検」の現在地を保存する
「中小企業M&A検定試験」とは——中小企業庁が運営する個人向けの検定、初回は令和9年1月28日〜30日
「中小企業M&A検定試験」「中小企業M&A検定」と呼ばれている試験は、中小M&A資格試験(正式名称:中小企業M&A実務能力・倫理検定試験)です。2026年10月30日に経済産業省・中小企業庁が「令和8年度中小企業M&A実務能力・倫理検定試験を実施します」と発表し、試験名に「検定試験」という語が入りました。運営主体は中小企業庁で、事務局は委託先の株式会社銀行研修社です(2026年5月1日の採択結果と10月30日の発表資料)。この試験は2026年3月17日の検討会第4回では「中小M&A資格試験(仮称)」と呼ばれ、3月27日の公募要領では「中小M&A資格試験実施事業」として委託先が募集されました。当サイトはこの経緯から「中小M&A資格試験」を通称として使い、本記事でも以降はそう表記します。
本記事が扱うのは、日程や科目の説明ではなく、制度としての全体像です。受検して合否が出た後に、登録と更新という段階が案として用意されていること、そしてこの検定が中小M&Aガイドラインや既存のM&A支援機関登録制度とどう結びつくのかを、1本で読めるようにまとめます。試験日と科目別の出題数そのものは試験の概要の記事で、登録要件の細部は合格後の登録の記事で扱っているため、本記事では各段階について「何が確定し、何が案か」に絞って整理します。
制度の全体像——受検→合否→登録→更新の4段階を、確定・受検案内待ち・案に色分けする
制度の全体像は受検・合否・登録・更新の4段階で、2026年11月2日時点で確定しているのは最初の受検の段階だけです。合否は合格基準が検討会資料の想定のまま、発表の時期・方法が受検案内待ちの段階で、登録と更新は検討会第5回資料2(2026年7月21日)の案にとどまります。この3つの確度を先に区別しておくと、検索で出てくる情報がどの段階の、どの確度の話かを見分けられます。
図のとおり、青の「受検」は2026年10月30日の発表で確定した段階、橙の「合否」は合格基準が検討会資料の想定のままで発表の時期・方法が受検案内で示される段階、灰の「登録」と「更新」は検討会第5回資料2の案にとどまる段階です。登録者検索システムで公表される基本情報の案は氏名・登録番号・登録年月日・所属先名の4項目で、登録講習の時間・費用は2026年11月2日時点で公表されていません。以下、4段階を順に見ていきます。
第1段階 受検——発表で確定した事項と、受検案内で示される事項
受検の段階で確定しているのは、試験日・方式・時間・形式・出題数・会場数・受検資格です(2026年10月30日 発表資料)。試験日は令和9年(2027年)1月28日(木)〜30日(土)のうち任意の1日で、受検者は選んだ1日のみ受検します。方式はCBT方式・120分、出題形式は多肢選択式(四肢択一)で全60問程度、会場は全国約170の試験会場です(いずれも発表値・確定)。出題数の内訳は、発表資料でM&A実務22問程度(中小M&A市場動向・中小企業政策関連を含む)・財務・税務13問程度・法務10問程度・倫理・行動規範15問程度と示され、出題に適用される法令・制度の基準日は令和8年3月末日です(出題科目詳細)。受検資格は年齢・学歴等に関係なく誰でも受検できるとされ、実務経験や所属による区分は発表資料に置かれていません。
一方、受検料・申込受付期間・申込方法・会場ごとの詳細は2026年11月2日時点で公表されておらず、発表資料には11月中に具体的な受検申込み方法等を記載した受検案内を公表すると書かれています。公募要領(2026年3月27日)には有償での実施とインターネット受付等の活用が発表前の想定として書かれていましたが、金額と手順は受検案内で確かめる必要があります。当サイトは受検料の金額を推測して掲載しません。
第2段階 合否——発表の時期・方法は受検案内、合格基準は検討会資料の想定3層
合否の段階は、合否発表の時期・方法と合格基準(配点・合格点)が2026年11月2日時点で公表されていないため、一部未公表の段階です。合格基準について検討会第4回資料2(2026年3月17日)が示した想定(現状案)は、総得点70〜80%程度、科目別50%程度、倫理・行動規範の禁忌肢の3層で、10月30日の発表資料には合格基準の記載がありません。禁忌肢は4科目のうち倫理・行動規範のみに設定する方針で、禁忌肢を設定した設問を複数設け、その一定数を誤答した場合に不合格とする設計が想定されていますが、設問数と不合格となる誤答数は未公表です(検討会資料の想定)。科目別50%相当を倫理・行動規範15問程度にあてはめると8問前後です(当サイトの算出値。問題数が変われば変わります)。
合否判定の進め方については、公募要領(2026年3月27日)が後日判定と初回の相対評価を想定し、合格通知書は合格発表日以降に簡易書留で発送するとしています(発表前の想定)。初回のため受検者数・合格率・過去問は存在せず、合否発表の具体的な日付は受検案内または中小企業庁の公表で確かめることになります。
第3段階 登録(案)——合格だけでは登録されず、誓約書・登録講習・欠格事由の確認が加わる
登録の段階は、検討会第5回資料2(2026年7月21日)で示された案で、試験合格・誓約書の提出・登録講習の修了・欠格事由に該当しないことの4つが登録要件とされています。試験に合格しただけでは登録されず、合格は4要件のうちの1つという位置づけです(案)。登録講習はE-learning等でマイページ上で受講する想定で、実務経験に応じた免除等は検討段階にあり、登録講習の時間・費用は2026年11月2日時点で公表されていません。登録者は登録者検索システムで公表される案で、公表項目は氏名・登録番号・登録年月日・所属先名の4つです。運用開始は検討会第4回資料2が令和10年度以降を想定しており、確定した時期は2026年11月2日時点で公表されていません。
第4段階 更新(案)——誓約書+更新講習を3〜5年ごと、有効期限は「期限なし」と「一定期間」の2案
更新の段階も検討会第5回資料2の案で、更新は誓約書の提出と更新講習の修了で行い、頻度は3〜5年を想定しています。登録の有効期限は「期限なし」と「3〜5年などの一定期間」の2案が並び、2026年11月2日時点で未確定です。合格して終わりではなく、登録後も一定の頻度でガイドラインの遵守を誓約し直し、講習を受け直す設計が案として置かれている点が、1回限りの検定と異なるところです。更新講習の内容・時間・費用も、登録講習と同じく公表されていません。
関係する制度の位置づけ——ガイドライン・支援機関登録制度(事業者)・検定試験(個人)・合格者の登録制度(案)
この検定は単独の制度ではなく、中小M&Aガイドライン第3版とM&A支援機関登録制度という既存の2つの仕組みの横に、「個人」を測る制度として置かれています。ガイドラインは支援機関の行動指針、支援機関登録制度は事業者の登録、検定試験と合格者の登録制度は個人の認定と登録という役割分担です。4つの関係を1枚にすると次のとおりです。
図のとおり、中小M&Aガイドライン第3版(中小企業庁・2024年8月30日公表)は、検定試験の倫理・行動規範15問程度の出題母体であり、同時にM&A支援機関登録制度で登録事業者が遵守を宣言する対象です。M&A支援機関登録制度はFA・仲介業者という事業者単位の制度で、登録数は3,399件(法人2,606件・個人事業主793件、令和8年3月9日時点)です。検定試験は個人を対象とし、受検資格は不問です。合格者の登録制度は、検定の合格を起点に個人を登録・公表する案(第5回資料2)ですが、検定の合格がM&A支援機関登録制度の登録要件になるかは2026年11月2日時点で公表されていません。事業者としての登録と個人としての登録は別の制度で、2つをつなぐものとして公表資料で確認できるのは、ガイドライン第3版が遵守宣言の対象であり倫理の出題母体でもあるという共通の母体までです。
令和8年度(初回)で決まっていること・公表されていないこと——段階別の一覧
初回である令和8年度の検定試験について、2026年11月2日時点で決まっていることと公表されていないことを段階別に整理すると、確定事項は受検の段階に集中し、合否以降は想定と案で構成されていることが分かります。
| 段階 | 決まっていること(発表値・確定) | 公表されていないこと(2026年11月2日時点) |
|---|---|---|
| 受検 | 試験日(令和9年1月28日〜30日のうち任意の1日)・CBT方式・120分・四肢択一・全60問程度・科目別出題数・全国約170会場・受検資格不問・法令の基準日(令和8年3月末日) | 受検料・申込受付期間・申込方法・会場ごとの詳細(11月中に公表すると発表資料に書かれている受検案内で示される) |
| 合否 | 確定した事項なし(公募要領は後日判定・初回は相対評価・合格通知書は簡易書留を想定) | 合否発表の時期・方法、合格基準(配点・合格点)、禁忌肢の設問数と閾値。受検者数・合格率・過去問は初回のため存在しない |
| 登録 | 確定した事項なし(検討会第5回資料2の案) | 登録講習の時間・費用、運用開始時期(検討会第4回資料2は令和10年度以降を想定) |
| 更新 | 確定した事項なし(検討会第5回資料2の案) | 有効期限(「期限なし」と「3〜5年などの一定期間」の2案)、更新の頻度の確定値(3〜5年を想定) |
| 運営 | 運営主体は中小企業庁、事務局は株式会社銀行研修社 | 公式テキスト・公式講座は公表されていない |
初回受検までの約3か月——11月は土台、12月は申込と演習、1月は本番形式
2026年11月2日から試験日の1月28日まで87日で、当サイトは11月・12月・1月の3つに区切ります。決まっているのは試験日で、申込の時期だけが受検案内の公表後に決まるため、11月は受検案内を確認しながら土台を作る月、12月は申込と演習の月、1月は本番形式で仕上げる月という配分です(当サイトの学習案)。
図のとおり、11月は受検案内(申込方法・受検料)の公表を確認しながら、出題科目詳細とガイドライン第3版を通読し、登録不要の10問クイック診断で4科目の現在地を測ります。12月は受検案内に沿って申し込み、無料会員の20問精密診断で科目別の弱点を出し、弱い科目の小項目を一次資料で埋めます。1月は60問模試を120分で通し(1月中旬まで)、直前は禁忌肢と計算問題の型を確認して、1月28日(木)〜30日(土)のうち選んだ1日に受検します。型の手がかりは検討会第4回資料2の公表サンプル問題で、正式4問(M&A実務・財務・税務・法務・倫理・行動規範の各1問)と参考の禁忌肢問題1問が四肢択一で示され、財務・税務はFCF算定の計算(正答25百万円)、参考問題は事例型の状況判断です。無料で解ける問題は合計78問で、演習量がもっと必要な人向けに有料の問題集もありますが、まず無料の範囲で4科目の現在地を知ることが先です。
次の一歩:無料会員の60問模試を120分で通し、4段階の入口である「受検」の現在地を保存する
今日できることは、60問模試を120分で1回通すことです。合否より先の登録・更新は案の段階で自分では動かせませんが、受検の段階は試験日と出題数が確定していて、残り87日の使い方は今日から決められます。無料会員登録をすると20問精密診断と60問模試の結果(科目別正答率・弱点TOP3)が保存され、11月・12月・1月の各段階で同じ尺度で比べられます。
「中小企業M&A検定」と「中小M&A資格試験」は同じ試験ですか?
同じ試験です。正式名称は中小企業M&A実務能力・倫理検定試験で、2026年10月30日の経済産業省・中小企業庁の発表で試験名が確定しました。検討会第4回(2026年3月17日)と公募要領(3月27日)で「中小M&A資格試験」の呼び方が使われていた経緯から、当サイトはこれを通称として使っています。
検定に合格すると自動的に登録されますか?
案の段階では自動ではありません。検討会第5回資料2(2026年7月21日)の案では、試験合格に加えて誓約書の提出・登録講習の修了・欠格事由に該当しないことが登録要件です。登録制度の運用開始時期は2026年11月2日時点で公表されていません。
M&A支援機関登録制度に登録している事業者に所属していれば、検定は関係ありませんか?
支援機関登録制度は事業者単位、検定は個人単位の別の制度で、検定の合格が支援機関登録制度の登録要件になるかは2026年11月2日時点で公表されていません。受検資格は年齢・学歴等に関係なく誰でも受検できると発表されており、所属による区分は発表資料に置かれていません。
令和8年度の検定試験の受検料と申込方法はいつ分かりますか?
2026年11月2日時点で公表されていません。発表資料には11月中に具体的な受検申込み方法等を記載した受検案内を公表すると書かれており、受検料・申込受付期間・申込方法・会場ごとの詳細はその受検案内で示されます。
登録後の更新は何年ごとですか?
検討会第5回資料2の案では、誓約書の提出と更新講習の修了による更新を3〜5年の頻度で想定しています。有効期限は「期限なし」と「3〜5年などの一定期間」の2案で、2026年11月2日時点で未確定です。