この記事の目次(8項目)
  1. 出題に適用される法令・制度の基準日は令和8年3月末日
  2. 基準日がかかるのは法令・制度で、試験の実施要領は別に公表される
  3. 基準日時点の最新版——中小M&Aガイドラインは第3版
  4. 科目別に見た、基準日が効く場所
  5. 基準日より後に公表された資料は、法令・制度として確定していない
  6. 一次資料を基準日の前後で仕分ける
  7. 基準日を踏まえた3つの確認手順
  8. 次の一歩:法務と財務・税務だけを先に解いて、基準日のずれを洗い出す

出題に適用される法令・制度の基準日は令和8年3月末日

中小企業庁は2026年10月30日公表の「令和8年度中小企業M&A実務能力・倫理検定試験 出題科目詳細」の冒頭に、出題にあたって適用される法令・制度の基準日は令和8年3月末日である旨を記載しています。この基準日は出題科目の一覧より前に置かれた1文で、科目ごとの例外は記載されていません。4科目すべてに同じ基準日がかかります。

同資料には、基準日より後の法令改正を出題に適用するという記載はありません。中小企業庁の試験ページにも、基準日を科目別に読み替える説明は置かれていません。したがって学習の対象は、令和8年3月末日時点で有効だった法令・制度に絞れます。

基準日がかかるのは法令・制度で、試験の実施要領は別に公表される

基準日は出題内容にかかる定めで、試験の実施方法にはかかりません。試験日は令和9年1月28日・29日・30日の3日間から1日を選ぶ方式で、2026年10月30日に公表されています。出題形式は120分・四肢択一・CBT方式で、出題数はM&A実務22問程度、財務・税務13問程度、法務10問程度、倫理・行動規範15問程度です。

受検料と受検申込みの方法は、2026年11月5日時点で公表されていません。中小企業庁は、具体的な受検申込み方法等を記載した受検案内を11月中に公表する予定であると試験ページに記載しています。受検案内は実施要領であり、令和8年3月末日という基準日とは別の話です。

基準日時点の最新版——中小M&Aガイドラインは第3版

中小M&Aガイドラインは2024年8月に第3版へ改訂され、2026年11月5日時点でも第3版が最新版です。改訂日が令和8年3月末日より前であるため、基準日時点の最新版も第3版にあたります。第2版は2023年9月、初版は2020年3月の公表で、前身の事業引継ぎガイドラインは2015年3月の公表です。

中小M&Aガイドライン第3版には、番号付きの参考資料が添付されており、中小企業庁のガイドラインページから個別に取得できます。契約書のサンプルやチェックリストは、ガイドライン本文ではなく参考資料の側に収録されています。版の取り違えを避けるには、ガイドラインページで第3版と明記された本文と参考資料を取得してください。

科目別に見た、基準日が効く場所

財務・税務13問程度では、税率や課税主体の定めが基準日の影響を受けます。公表されたサンプル問題では、株式譲渡の譲渡益に対する20.315%の税率が用いられています。税制は年度ごとに改正が入る領域であるため、令和8年3月末日時点の定めで確認してください。

法務10問程度では、会社法と弁護士法の条文が基準日時点のもので読まれます。公表された法務のサンプル問題は免責条項を問う1問で、士業の独占業務との線引きが論点でした。条文を参照するときは、令和8年3月末日時点で施行されていた内容かを確認してください。

倫理・行動規範15問程度とM&A実務22問程度では、中小M&Aガイドライン第3版とM&A支援機関登録制度が中心に置かれます。どちらも令和8年3月末日より前から運用されている制度です。M&A実務には中小M&A市場動向と中小企業政策の項目も含まれます。

基準日より後に公表された資料は、法令・制度として確定していない

合格後の登録制度は、2026年7月21日の検討会第5回資料2で現状案として示されました。登録要件、有効期限3〜5年、更新講習、欠格事由、登録の取消、登録者検索システムが案に含まれます。公表日が令和8年3月末日より後であり、かつ内容が現状案であるため、確定した法令・制度ではありません。

出題科目詳細そのものも2026年10月30日の公表で、基準日より後に出た資料です。ただしこれは出題範囲を示す試験側の資料であり、出題に適用される法令・制度ではありません。基準日は適用法令にかかる定めであって、試験資料の公表日を縛るものではありません。

一次資料を基準日の前後で仕分ける

基準日より前に公表された一次資料は、中小M&Aガイドライン第3版(2024年8月改訂)と、中小M&A市場の改革に向けた検討会第4回の資料(令和8年3月17日)です。検討会第4回では市場改革の方向性と出題範囲一覧が示されており、公表日は令和8年3月末日より前にあたります。

基準日より後に公表された一次資料は、検討会第5回資料2(2026年7月21日)と出題科目詳細(2026年10月30日)です。前者は登録制度の現状案で、後者は出題範囲そのものを示す試験側の資料です。どちらも法令改正ではないため、この仕分けは「どの法令で解くか」の判断を変えません。

基準日を踏まえた3つの確認手順

第1に、参照している一次資料の公表日または改訂日を確認します。令和8年3月末日より前のものは、基準日時点で有効だった資料にあたります。第2に、税率や条文を引くときは、2026年4月以降の改正が混ざっていないかを確認します。

第3に、2026年4月以降に公表された資料は、試験の実施要領か、検討会で示された現状案かを区別します。実施要領は受検案内として11月中に公表予定で、現状案は検討会資料に含まれます。この3点を押さえれば、どの版で勉強するかは一次資料の日付だけで判断できます。

次の一歩:法務と財務・税務だけを先に解いて、基準日のずれを洗い出す

今日やることは1つです。無料模試のうち法務と財務・税務の問題だけを先に解き、誤った問題に「基準日のずれか、知識不足か」の印を付けてください。基準日が効くのは条文と税率が絡む設問で、全60問程度のうち法務10問程度と財務・税務13問程度に集中しています。

この2科目を先に解く価値は、取り違えの種類が分かれる点にあります。古い税率や改正前の条文で覚えていた箇所は、令和8年3月末日時点の定めに差し替えるだけで直り、知識不足の箇所とは対処が違います。無料登録すると診断と模試の結果が保存され、次回以降の学習でどの科目を解き直したかを追えます。

中小M&A資格試験の法令基準日はいつですか

令和8年3月末日です。中小企業庁が2026年10月30日に公表した「出題科目詳細」の冒頭に、出題にあたって適用される法令・制度の基準日として記載されています。

基準日より後の法令改正は出題されますか

基準日より後の改正を適用して出題するという記載は、出題科目詳細にはありません。同資料は、出題にあたって適用される法令・制度の基準日を令和8年3月末日と定めています。

中小M&Aガイドラインは第何版で勉強すればよいですか

第3版です。改訂は2024年8月で、令和8年3月末日時点でも2026年11月5日時点でも最新版は第3版です。

今から何を準備すればいいですか

法務10問程度と財務・税務13問程度の問題を先に解き、基準日時点の制度と自分の記憶のずれを洗い出してください。受検料と申込方法は2026年11月5日時点で公表されておらず、受検案内が11月中に公表される予定です。