この記事の目次(9項目)
重要事項説明の確認問題10問——外れるのは「条件付きの4項目」と「2つの時点」
中小M&Aの重要事項説明は、中小M&Aガイドライン(第3版)の参考資料11「M&A仲介契約/FA契約 重要事項説明書サンプル」に17項目として示されています。17項目のうち4項目には適用条件が付いており、残る13項目には条件が付いていません。下の10問は、この条件の有無と、説明の様式が対応する2つの時点を、四肢択一の形で確かめるためのものです。
この10問は当サイトが一次資料から作成した確認問題です。中小企業庁が公表した問題ではありません。中小企業庁が公表しているサンプル問題は、M&A実務・財務・税務・法務・倫理・行動規範の各1問からなる4問と、参考として示された禁忌肢のサンプル問題1問です。
前提:2026年11月1日時点で公表されている事実
令和8年度中小企業M&A実務能力・倫理検定試験は、2027年1月28日から30日までのうち受検者が選んだ1日に実施されます。中小企業庁は2026年10月30日の報道発表で、CBT方式・試験時間120分・多肢選択式(四肢択一)・全60問程度・全国約170の試験会場という条件を示しました。
科目別の出題数は、M&A実務が22問程度、倫理・行動規範が15問程度、財務・税務が13問程度、法務が10問程度です。重要事項説明は倫理・行動規範と法務の双方に接続する論点で、この2科目の合計は25問程度を占めます。出題に適用される法令・制度の基準日は令和8年3月末日です。
受検料・申込受付期間・申込方法・合格基準・合否発表の時期と方法は、2026年11月1日時点で公表されていません。中小企業庁は、申込方法等を記載した受検案内を11月中に公表するとしています。
問1〜問3 どの時点の、どの様式か
問1 仲介契約・FA契約を締結する前の段階で依頼者に説明するための様式として、中小M&Aガイドライン(第3版)の参考資料に置かれているものはどれか。/A 最終契約におけるリスク事項についての説明書サンプル/B M&A仲介契約/FA契約 重要事項説明書サンプル/C 各種契約書サンプル/D 中小M&A時の経営者保証の取扱いについて
正解はB。参考資料11「M&A仲介契約/FA契約 重要事項説明書サンプル」が、仲介契約・FA契約の締結前の段階に対応する様式です。中小企業庁はこの様式をPDF版・Word版・見え消し版の3形式で公表しています。Aは最終契約の段階に対応する別の様式です。
問2 最終契約の段階で説明すべきリスク事項に対応する様式はどれか。/A 参考資料6 仲介契約・FA契約締結時のチェックリスト/B 参考資料11 M&A仲介契約/FA契約 重要事項説明書サンプル/C 参考資料12 最終契約におけるリスク事項についての説明書サンプル/D 参考資料13 中小M&A時の経営者保証の取扱いについて
正解はC。参考資料12「最終契約におけるリスク事項についての説明書サンプル」が最終契約の段階に対応し、PDF版とWord版で公表されています。重要事項説明の様式は締結前と最終契約の2つの時点に分かれており、どちらの様式かを取り違えると、内容を覚えていても設問を外します。Aのチェックリストは契約締結時に確認するための別の資料です。
問3 参考資料11の重要事項説明書サンプルに示されている項目は何項目か。/A 7項目/B 11項目/C 17項目/D 23項目
正解はC。17項目です。項目は、仲介契約とFA契約の違いと特徴から始まり、業務の範囲・内容、担当者の情報、手数料、秘密保持、専任条項、直接交渉の制限、テール条項、契約期間と更新、契約の解除、責任(免責)、契約終了後も効力が存続する条項、利益相反のおそれ、譲り受け側に対する調査の概要、業界内での情報共有の仕組みへの参加有無に及びます。
問4〜問6 仲介業務を行う場合に限って説明する項目
問4 17項目のうち「仲介業務を行う場合」という条件が付いている項目はどれか。/A 秘密保持に関する事項/B 相手方の手数料について/C テール条項/D 契約期間及び契約の更新(期間の延長)に関する事項
正解はB。「(仲介業務を行う場合)相手方の手数料について」が5番目の項目です。仲介者は譲り渡し側と譲り受け側の双方と契約し得るため、依頼者が負担する手数料だけでなく相手方の手数料も説明の対象になります。A・C・Dはいずれも条件が付かず、仲介でもFAでも説明する項目です。
問5 「仲介業務を行う場合」という条件が付いているもう一つの項目はどれか。/A 利益相反のおそれがあると想定される事項/B 直接交渉の制限に関する事項/C 担当者の保有資格、経験年数・成約実績/D 責任(免責)に関する事項
正解はA。「(仲介業務を行う場合)利益相反のおそれがあると想定される事項」が15番目の項目です。条件が付く項目は17項目のうち4項目で、そのうち仲介業務を行う場合に限られるのは相手方の手数料と利益相反のおそれの2項目です。
問6 次のうち、仲介かFAかの別や説明の相手方による条件が付いていない項目はどれか。/A 譲り受け側に対して実施する調査の概要/B 業界内での情報共有の仕組みへの参加有無/C 手数料に含まれていない実費等の負担/D 相手方の手数料について
正解はC。「手数料に含まれていない実費等の負担」は6番目の項目で、条件は付いていません。A・Bは譲り渡し側への説明の場合に限られ、Dは仲介業務を行う場合に限られます。手数料に関する項目が3つに分かれていること自体が、この様式の読みどころです。
問7〜問8 譲り渡し側への説明に限る項目と、項目に含まれないもの
問7 「譲り渡し側への説明の場合」という条件が付いている項目の組み合わせはどれか。/A 専任条項に関する事項と、テール条項/B 譲り受け側に対して実施する調査の概要と、業界内での情報共有の仕組みへの参加有無/C 秘密保持に関する事項と、直接交渉の制限に関する事項/D 契約の解除に関する事項と、責任(免責)に関する事項
正解はB。16番目の「(譲り渡し側への説明の場合)譲り受け側に対して実施する調査の概要」と、17番目の「(譲り渡し側への説明の場合)業界内での情報共有の仕組みへの参加有無」の2項目です。いずれも譲り渡し側が譲り受け側の適格性を判断するための情報で、譲り受け側に対して同じ説明をする項目ではありません。
問8 次のうち、参考資料11の重要事項説明書サンプルの項目に含まれていないものはどれか。/A 専任条項に関する事項/B テール条項/C 契約終了後も効力が存続する条項及びその有効期間/D 譲渡額の算定方法
正解はD。譲渡額の算定方法は参考資料2として別に置かれている資料で、重要事項説明書サンプルの項目ではありません。A・B・Cはいずれも項目に含まれ、専任条項が8番目、テール条項が10番目、契約終了後も効力が存続する条項及びその有効期間が14番目です。契約の出口に関する3項目が並んでいる点が、この様式の構成上の特徴です。
問9〜問10 担当者の情報と、試験側の数字
問9 依頼者が担当者そのものを見極めるための項目として、重要事項説明書サンプルに含まれているのはどれか。/A 担当者の保有資格、経験年数・成約実績/B 担当者の年齢及び所属部署/C 担当者が属する法人の資本金及び株主構成/D 担当者の過去の懲戒歴
正解はA。「担当者の保有資格、経験年数・成約実績」が3番目の項目です。説明の対象は法人の属性ではなく、案件を担当する個人の資格と実績に置かれています。中小M&A資格試験が個人を対象とする試験として設計されていることと、方向が一致している項目です。
問10 2026年11月1日時点で公表されている、倫理・行動規範の出題数と、出題に適用される法令・制度の基準日の組み合わせはどれか。/A 10問程度と、令和7年3月末日/B 15問程度と、令和8年3月末日/C 22問程度と、令和8年3月末日/D 15問程度と、令和9年1月末日
正解はB。倫理・行動規範は15問程度で、基準日は令和8年3月末日です。基準日が令和8年3月末日であることは、学習に使う資料をその時点の内容で揃えればよいという意味になります。10問程度は法務、22問程度はM&A実務の出題数です。
外し方は2つに分かれる——項目落ちと条件違い
この10問で外れる形は2つです。1つは項目落ちで、17項目のうち知らない項目があるために選べない形です。もう1つは条件違いで、項目は知っているのに「仲介業務を行う場合」「譲り渡し側への説明の場合」という条件を取り違える形です。
条件違いは四肢択一で起きやすい外し方です。条件を外した選択肢は、項目名としては正しいため、正解の候補として自然に見えます。問4から問7で外した場合は、覚える量ではなく条件の仕分けに原因があります。
項目落ちで外した場合は、17項目を手数料に関する3項目、情報の扱いに関する項目、契約の出口に関する3項目、条件付きの4項目という区分で並べ直すと、どこが空いているかが見えます。
この確認問題でわからないこと
重要事項説明から何問出題されるかは、2026年11月1日時点で公表されていません。科目別の出題数は公表されていますが、科目の中の論点ごとの配分は公表されていません。
禁忌肢の設定箇所・問題数・判定基準も、2026年11月1日時点で公表されていません。検討会第4回の資料2では、禁忌肢を倫理・行動規範に設定する想定が示されています。これは検討会資料の想定で、確定した内容ではありません。
合格基準も2026年11月1日時点で公表されていません。したがって、この10問の正答数から合否を判定することはできません。この10問でわかるのは、項目落ちと条件違いのどちらが自分の失点の形かという点だけです。
次の一歩:条件付きの4項目で外したなら、本番形式の60問で同じ外し方が再発するか確かめる
今日できることは1つです。問4から問7のいずれかを外した人は、本番と同じ四肢択一・120分・60問程度の形式で模試を1回受け、倫理・行動規範の15問程度の中で同じ「条件違い」が再発するかを確かめてください。条件違いは項目を覚えても消えない外し方で、条件を外した選択肢が正解に見える四肢択一の形に揃えないと表に出てきません。
試験日は2027年1月28日から30日までのうち1日で、受検案内は11月中に公表されます。無料登録をすると診断と模試の結果が保存され、受検案内が公表された後に学習計画を組み直すときも、どの科目でどの形の失点が出ていたかを見返せます。
この確認問題は中小企業庁が公表した問題ですか。
いいえ。この10問は当サイトが一次資料から作成した確認問題です。中小企業庁が公表しているサンプル問題は、M&A実務・財務・税務・法務・倫理・行動規範の各1問からなる4問と、参考として示された禁忌肢のサンプル問題1問で、いずれも四肢択一です。
重要事項説明書サンプルの17項目は、すべて覚える必要がありますか。
17項目のうち適用条件が付いているのは4項目で、残る13項目には条件が付いていません。項目名を並べるだけでなく、条件が付く4項目がどれかを仕分けられる状態にしておくと、条件を外した選択肢と区別できます。
最終契約の説明書と重要事項説明書は何が違いますか。
対応する時点と様式が違います。重要事項説明書サンプル(参考資料11)は仲介契約・FA契約の締結前の段階に対応し、最終契約におけるリスク事項についての説明書サンプル(参考資料12)は最終契約の段階に対応します。中小M&Aガイドライン(第3版)は、この2つを別の様式として示しています。
重要事項説明に禁忌肢は設定されますか。
禁忌肢の設定箇所・問題数・判定基準は、2026年11月1日時点で公表されていません。検討会第4回の資料2では、禁忌肢を倫理・行動規範に設定する想定が示されています。重要事項説明は倫理・行動規範と法務の双方に接続する論点です。
今から何を準備すればいいですか。
条件付きの4項目を仕分けられるかを確かめたうえで、本番と同じ四肢択一・120分・60問程度の形式で一度解き、倫理・行動規範の15問程度で失点が出るかを測ってください。試験日は2027年1月28日から30日までのうち1日で、受検料と申込方法は11月中に公表される受検案内で示されます。