この記事の目次(7項目)
M&A実務の出題範囲は、工程の順に並んでいる(資料2・現状案)
中小企業庁の検討会第4回資料2は、M&A実務(出題割合35〜40%程度・現状案)の中項目を、M&A実務の基礎から事前相談、秘密保持契約、アドバイザリー(仲介・FA)契約、バリュエーション、マッチング、意向表明/基本合意、DD、最終契約、クロージング、クロージング後(PMI)の順に並べています。資料2は、うち中小M&A市場・中小企業政策の設問を必ず出題する想定としています。検討会第4回資料3の優先出題項目(●印)の重心は、重要事項説明、最終契約ブロック、仲介とFAの違い、不適切な譲り受け側、PMIです。
根拠は、中小M&Aガイドライン第3版の工程の見出しと用語集、資料2、当サイトの科目別記事に限り、解釈が分かれうる細部は問いません。
確認問題(当サイト作成)1〜4:工程の順番と、書面の拘束力
問1:中小M&Aガイドライン第3版が示す手続の流れ(仲介者・FAを選定する場合)として、最も適切な順番はどれか。
- ア意思決定→仲介者・FAの選定→バリュエーション→マッチング→交渉→基本合意→DD→最終契約→クロージング→クロージング後
- イ意思決定→マッチング→DD→基本合意→最終契約→クロージング
- ウ仲介者・FAの選定→基本合意→マッチング→最終契約→DD
- エ意思決定→マッチング→最終契約→クロージング→DD
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答え:ア
第3版は第1章II-3でアの順に工程を並べています。イ・ウ・エは、基本合意・DD・最終契約・クロージングの前後を入れ替えています。(根拠: 中小M&Aガイドライン第3版 第1章II-3「中小M&Aにおける一般的な手続の流れ」)
問2:譲り受け候補に情報を出す順序として、最も適切なものはどれか。
- ア企業概要書を広く送り、関心を示した候補と秘密保持契約を結ぶ。
- イ譲り渡し側が特定されないノンネーム・シートで打診し、秘密保持契約の締結後に企業概要書を提示する。
- ウ秘密保持契約は最終契約と同時に結べば足りる。
- エ打診の段階で社名と決算書を開示する。
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答え:イ
第3版の用語集は、企業概要書を秘密保持契約の締結後に譲り受け側へ提示する具体的な情報と説明しています。ア・エは秘密保持契約の前に社名が分かる情報を出し、ウは締結が遅すぎます。(根拠: 中小M&Aガイドライン第3版 用語集「ノンネーム・シート」「企業概要書」)
問3:意向表明書の説明として、最も適切なものはどれか。
- ア譲り渡し側が希望売却価格を通知する書面で、全条項に法的拘束力がある。
- イ譲り受け側が希望条件等を表明するために提出する書面で、基本的に法的拘束力を持たないことが多い。
- ウ最終契約の締結後に代金の支払いを約束する書面である。
- エ仲介者の手数料の説明書である。
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答え:イ
第3版の用語集はイのとおり説明しています。アは提出する側と拘束力の扱いが逆です。(根拠: 中小M&Aガイドライン第3版 用語集「意向表明書」)
問4:基本合意書の説明として、最も適切なものはどれか。
- ア全条項に法的拘束力があり、譲渡価格はこの時点で確定する。
- イ原則として法的拘束力を持たないが、独占的交渉権や秘密保持義務などには拘束力を認めることが通常である。
- ウ法的拘束力が一切ないため、独占的交渉権を定めても意味がない。
- エ最終契約の締結後に交わす書面である。
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答え:イ
第3版の用語集はイのとおり説明しています。拘束力は書面の名称ではなく条項ごとに決まるため、アとウは誤りです。エは第3版の流れと逆です。(根拠: 中小M&Aガイドライン第3版 用語集「基本合意書」、当サイト記事「科目別対策:法務」)
確認問題5〜7:DD・最終契約・クロージング
問5:DDで譲り渡し側に不利な事実が見つかった。支援者の対応として、最も不適切なものはどれか。
- ア調査の範囲を依頼者と確認し、専門家につなぐ。
- イ専門家の調査で判明した事項を依頼者に正確に伝える。
- ウ成約を優先し、判明した不利な事実を依頼者に伝えずに最終契約へ進める。
- エ判明した事項を整理して依頼者に伝える。
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答え:ウ
支援者に求められるのは、専門家につなぎ、DDで発見された事項を依頼者に正確に伝えることです。(根拠: 当サイト記事「科目別対策:M&A実務」)
問6:最終契約の表明保証条項の説明として、最も適切なものはどれか。
- ア一方当事者が他方当事者に対し、一定の時点で契約事項が真実かつ正確であることを表明し保証する条項である。
- イ仲介者が成約を保証する条項である。
- ウ譲り受け側が意向表明の段階で希望価格を示す条項である。
- エ違反があっても相手方は何の手当ても求められない条項である。
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答え:ア
第3版の用語集はアのとおり説明し、違反時の損害賠償や解除等の規定も通常設けられるとしているため、エは逆です。(根拠: 中小M&Aガイドライン第3版 用語集「表明保証条項」、当サイト記事「科目別対策:法務」)
問7:クロージングの説明として、最も適切なものはどれか。
- ア基本合意の締結を指す。
- イ最終契約の決済のことで、最終契約の後に株式・財産の譲渡や対価の支払などを行う工程である。
- ウ最終契約より前に行い、その結果で最終契約の内容を決める。
- エクロージング前提条件が満たされていなくても実行しなければならない工程である。
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答え:イ
第3版の用語集はイのとおり説明しています。クロージング前提条件は満たされなければ実行しない条件で、エは逆です。(根拠: 中小M&Aガイドライン第3版 用語集「クロージング」、当サイト記事「科目別対策:M&A実務」)
確認問題8〜10:PMI・支援者の立場・スキーム
問8:PMIの説明として、最も適切なものはどれか。
- ア基本合意の前に行う候補の絞り込みである。
- イクロージング後の一定期間内に行う経営統合作業である。
- ウ最終契約と同時に終わる手続で、M&A実務の出題範囲には含まれない。
- エ仲介者が報酬を受け取る手続である。
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答え:イ
第3版の用語集はイのとおり説明しています。資料2はM&A実務の中項目に「クロージング後(PMI)」を置いており、ウは誤りです。(根拠: 中小M&Aガイドライン第3版 用語集「PMI」、検討会第4回資料2)
問9:仲介者とFAの違いとして、最も適切なものはどれか。
- ア仲介者は譲り渡し側・譲り受け側の双方との契約に基づいて支援し、FAは一方との契約に基づいて支援する。
- イ仲介者は一方と、FAは双方と契約する。
- ウどちらも双方と契約するため、利益相反は生じない。
- エFAは手数料を受け取れない。
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答え:ア
第3版の用語集はアのとおり説明しています。初版のポイント資料は、双方を一社で仲介すると利益相反となり得ると明記しており、ウは誤りです。(根拠: 中小M&Aガイドライン第3版 用語集「仲介者」「FA」、中小M&Aガイドライン(初版)のポイント)
問10:株式譲渡と事業譲渡の比較として、最も適切なものはどれか。
- ア事業譲渡では承継する資産・契約を個別に選べる一方で、移転の手続が個別に必要になる。
- イ事業譲渡では、労働契約は従業員の同意なく当然に移る。
- ウ株式譲渡では、労働契約に従業員ごとの個別の同意が必要になる。
- エ事業の全部を譲渡する事業譲渡でも株主総会の決議は要らない。
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答え:ア
事業譲渡では労働契約は当然には移らず個別の同意が必要で、株式譲渡では労働契約がそのまま存続するため、イとウは逆です。事業の全部の譲渡には原則として株主総会の特別決議が必要で(略式の場合を除く)、エも誤りです。(根拠: 当サイト記事「公表サンプル問題の整理」「科目別対策:法務」)
誤答パターンと復習の順番(当サイト案)
誤答は3つの型に分けて記録します(当サイト案)。1つ目は順序の取り違えで、問1・問2・問7が該当します。2つ目は主体の取り違えで、誰が提出するか・誰と契約するかを問う問3・問9が該当します。3つ目は確定していないものを確定として扱う型、または伝えるべきことを伝えない型で、問4・問5・問6が該当します。
復習は次の順に進めます(当サイト案)。第1に、意思決定からクロージング後までの工程表を白紙に書きます。第2に、用語集で書面ごとに提出する側と拘束力を確かめます。第3に、●の重心である最終契約ブロック(表明保証・補償・解除・クロージング前提条件)を法務の科目別記事と合わせて読みます。第4に、中小M&A市場・中小企業政策を確かめます。
確認問題の限界
本試験は四肢択一で、事例・判断型を含みます。本記事の確認問題は用語と工程の骨格の確認が中心で、事例にあてはめる力までは測れません。当サイトの確認問題は中小企業庁や実施団体が作成したものではありません。
この確認問題で何問正解すれば合格に届きますか?
確認問題の点数に合格の目安はありません。合格基準は総得点70〜80%程度・科目別50%程度・禁忌肢の3層が現状案で、確定した合格ラインは2026年10月10日時点で公表されていません。
M&A実務の問題を解説つきでもっと解けますか?
当サイトで無料で読める解説は、10問クイック診断の終了後の2問(誤答優先)と、有料の合格対策パックの解説サンプル5問です。60問模試は問題ごとの解説を表示しません。合格対策パックは9,800円(税込・一括払い)・24か月・計900問の民間教材で、全問に解説と根拠資料があります。一次資料を読む前に買う必要はありません。
次の一歩:本番想定60問模試で、M&A実務21問を120分の中で解く
今日できることは、無料会員登録(約1分)をして本番想定60問模試を受けることです。60問模試の配分21/15/13/11問は、公表された出題割合の現状案を当サイトが60問に配分した算出値です。試験日は2026年10月10日時点で公表されておらず、他の3科目と並べたM&A実務の正答率を今のうちに持っておくことが、受験日を選ぶ材料になります。無料会員の結果はマイページに保存され、次回の結果と比べて弱点の変化を確認できます。