この記事の目次(10項目)
- 練習問題はどこにあるのか——公式はサンプル4問+参考1問、過去問は存在しない
- 型1:スキーム選択の比較判断(M&A実務)——何が問われ、どう対策するか
- 型2:計算問題(フリーキャッシュフローの算定・財務・税務)——手順を固定し、符号を手で確かめる
- 型3:契約条項の効力判断(法務)——何が問われ、どう対策するか
- 型4:独占業務の境界判定(倫理・行動規範)——何が問われ、どう線を引き直すか
- 参考問題:禁忌肢のサンプル——事例型の状況判断は、規範と場面をセットで覚える
- 4つの型と参考問題に共通する設計——知識の再生ではなく判断を問う
- 問題集・一問一答を探している人へ——選ぶ基準
- 今すぐ無料で解ける練習問題——10問・20問・60問の使い分け
- 次の一歩:10問で現在地を測り、60問模試で本番形式を確かめてから教材を決める
練習問題はどこにあるのか——公式はサンプル4問+参考1問、過去問は存在しない
中小M&A資格試験(仮称)の練習問題として公式に存在するのは、サンプル問題の正式4問と参考1問だけです。正式4問はM&A実務、財務・税務、法務、倫理・行動規範の各1問で、いずれも四肢択一です。参考の1問は倫理・行動規範の禁忌肢に関する事例で、こちらも四肢択一です。いずれも中小企業庁の検討会第4回(2026年3月17日開催)の資料2に掲載されています。試験は2026年9月21日時点で実施されておらず、過去問は存在しません。公式テキスト・公式講座も同日時点で公表されておらず、公式の問題集や一問一答もありません。この5問が公式に確認できる唯一の例題で、演習量は足りませんが、出題の型を読み取る材料としては十分です。資料2に掲載されているのは設問と正答で、解説は付いていません。以下の「何が問われるか」は、当サイトが公表資料を読み解いた整理です。設問文そのものは扱わないため、原文は一次資料のリンクから確認してください。
| 公式サンプル問題の型 | 科目 | 何が問われるか | 練習に使えるもの |
|---|---|---|---|
| 型1:スキーム選択の比較判断 | M&A実務 | 株式譲渡と事業譲渡の帰結を、契約・許認可、偶発債務、手続の観点で対応づける | 検討会第4回資料2、中小M&Aガイドライン第3版の手法解説(無料)、当サイトの無料10問・20問・60問 |
| 型2:計算問題(フリーキャッシュフローの算定) | 財務・税務 | 与えられた数値をどの順で足し引きするか | 検討会第4回資料2(無料)、当サイトの無料10問・20問・60問 |
| 型3:契約条項の効力判断 | 法務 | 免責条項があっても情報提供の義務は残るか | 検討会第4回資料2、中小M&Aガイドライン第3版(無料)、当サイトの無料10問・20問・60問 |
| 型4:独占業務の境界判定 | 倫理・行動規範 | 資格を持たない支援者が適法に行えない行為はどれか | 検討会第4回資料2、資料3の優先出題項目(無料)、当サイトの無料10問・20問・60問 |
| 参考:禁忌肢の事例問題 | 倫理・行動規範 | 依頼者の利益を損なう対応を選ばずにいられるか | 検討会第4回資料2の参考問題、中小M&Aガイドライン第3版(無料)、当サイトの無料10問・20問・60問 |
型1:スキーム選択の比較判断(M&A実務)——何が問われ、どう対策するか
型1は、M&A実務からのスキーム選択の比較判断です。公表サンプルでは、譲り受け候補が株式譲渡と事業譲渡のどちらを選ぶかを比べる場面が示されます。観点は契約や許認可の取扱い、偶発債務の承継、手続の煩雑さの3つです。空欄に入る語句の組み合わせを選ばせる形です。問われているのは手法の名称ではなく、スキームごとの帰結です。株式譲渡なら会社そのものが移るため、契約・許認可は原則そのまま存続し、偶発債務も引き継ぎます。事業譲渡なら承継する資産・契約を個別に選べる一方で、移転手続が個別に必要になります。
型1の対策は、株式譲渡・事業譲渡(必要なら会社分割・合併も)を1枚の表にすることです。「何が移り、何が移らないか」「誰の同意・手続が要るか」「簿外債務はどうなるか」を観点ごとに比較できる状態にします。組み合わせ肢は、1つの観点で誤りを見つければ複数の肢を同時に消せます。中小M&Aガイドライン第3版の手法解説と、譲り渡し側・譲り受け側それぞれの留意点を一次資料で読み、表の根拠を原文で確認しておきます。
型2:計算問題(フリーキャッシュフローの算定・財務・税務)——手順を固定し、符号を手で確かめる
型2は、計算問題です。公表サンプル問題では、財務・税務からフリーキャッシュフローの算定が出ています。財務・税務は4科目のうち公表サンプルで計算問題が示された科目で、出題割合の現状案は20〜23%です。計算問題の出題数の内訳は2026年9月21日時点で公表されておらず、他の科目で計算問題が出ないという公表もありません。この型で問われているのは、公式を覚えているかではなく、与えられた数値をどの順で処理するかです。営業利益に実効税率を適用して税引後にします。そこに減価償却費のような非現金支出を足し戻し、運転資本の増減(売上債権・棚卸資産の増加、仕入債務の減少)と設備投資を差し引きます。公表サンプルは実効税率を数値で与えており、税引を飛ばすと正答に届きません。足し引きを取り違えても、答えは合いません。
型2の対策は、算定手順を固定したうえで、符号を手で確かめることです。手順を自分の言葉で紙に書き出し、毎回同じ順序で処理します。運転資本の各項目は、増えたときにキャッシュフローがどちらに動くかを1つずつ確認します。売上債権や棚卸資産が増えればキャッシュは出ていき、仕入債務が増えればキャッシュは手元に残ります。この向きを丸暗記せず、なぜそうなるかを説明できる状態にします。読むだけの学習が最も危険なのがこの型で、手を動かして最後まで数値を出す演習でしか、税引の抜けや符号の取り違えは発見できません。税務の計算も同じで、個人の株式譲渡の課税が申告分離課税で税率20.315%(所得税15.315%+住民税5%)であることは、内訳まで書き出して初めて設問で使えます。
計算問題は、評価手法の選択とセットでも問われえます。バリュエーションはコストアプローチ・マーケットアプローチ・インカムアプローチの3つに分類され、中小企業のM&Aでは時価純資産法が多く用いられます。フリーキャッシュフローの算定はインカムアプローチの計算過程にあたります。算定手順だけを覚えていると、事例のなかでどの手法を用いる場面なのかを判断できません。3分類それぞれがどのような前提のときに使われるのかも整理しておきます。
型3:契約条項の効力判断(法務)——何が問われ、どう対策するか
型3は、法務からの契約条項の効力判断です。公表サンプルでは、アドバイザリー契約に免責事項が置かれている場合に、その条項がどこまで効くのかを問う形になっています。免責条項があれば支援者の善管注意義務や情報提供義務が消える、相手が専門家でなければ常に無効になる、といった極端な理解を退けます。条項があっても適切な情報提供の義務は残り、効力は条件や事案に応じて個別に判断される——という位置づけを選べるかが問われます。中小M&Aガイドライン第3版が、仲介者・FAの責任を修正する条項について「説明することと、条項の法的な効力の有無は別問題」と整理している点と重なる論点です。
型3の対策は、「条項に書いてあること」と「法的に効くこと」を分けて考える癖をつけることです。善管注意義務、消費者契約法や民法の一般原則、重過失の有無などで効力が制限されうる、という枠組みを押さえます。あわせて、会社法の株式譲渡の承認手続や事業譲渡の株主総会決議(簡易・略式などの例外を含む)、民法の契約の基礎、労働契約承継法も押さえます。最終契約の表明保証・補償・解除・クロージング前提条件といった法務と実務の横断領域も、同じ事例で問われうる論点です。
型4:独占業務の境界判定(倫理・行動規範)——何が問われ、どう線を引き直すか
型4は、独占業務の境界判定です。倫理・行動規範からの1問がこの型にあたります。弁護士等の資格を持たない支援機関の職員が行う複数の行為のうち「適法に行えないもの」をすべて選ばせる形です。弁護士法・税理士法・弁理士法などの独占業務の境界が問われています。弁護士法は、検討会第4回資料3の法務の優先出題項目(●印)に含まれます。問われているのは、M&Aの支援者がどこまで自分で対応してよく、どこから先は有資格者につながなければならないかという線引きです。公表サンプルの正答は「すべて適法に行えない」です。無償・代行・依頼者の要望といった理由づけでは境界は動かない、という設計が読み取れます。
型4の対策は、行為の性質ごとに線を引き直すことです。誰がやるか、有償か無償か、依頼者が求めたかどうかではなく、その行為が何にあたるかで判定します。法的な見解を述べる行為なのか、事実を伝える行為なのか。税額を計算して示す行為なのか、制度を一般的に説明する行為なのか。この区別を自分の実務に当てはめて棚卸ししておくと、事例型の設問に強くなります。
参考問題:禁忌肢のサンプル——事例型の状況判断は、規範と場面をセットで覚える
正式4問とは別に、禁忌肢の考え方を示す参考問題が1問公表されており、形式は事例型の状況判断です。現場で起こりうる場面での対応として、適切なもの、あるいは不適切なものを選ばせます。問われているのは、規範を知っているかではなく、目の前の状況にどの規範が当てはまるかを見分ける力です。倫理・行動規範の出題の母体は、2024年8月30日に公表された中小M&Aガイドライン第3版です。利益相反の管理、秘密保持、直接交渉の制限、専任条項・テール条項の適正化、不適切な譲り受け側の排除、反社会的勢力との関係遮断といった論点が並びます。事例型の設問は、複数の論点が同時に絡む場面を切り取ってくるのが特徴です。
事例型の対策は、原文を読んだあとに、必ず事例へ当てはめる工程を挟むことです。ガイドラインの規範は「〜しなければならない」「〜してはならない」という形で書かれています。しかし事例型の設問では、その規範が適用される場面かどうかの判定が先に来ます。たとえば直接交渉の制限は、どの段階の、誰と誰の接触を指すのかが分かっていないと、事例のなかで発動しません。規範を1つ読むごとに「この規範に反する場面を1つ挙げる」作業を課すと、設問文を読んだ瞬間に該当する規範が浮かびます。
禁忌肢は、倫理・行動規範に設定する方針が示されています。複数の設問に配置して一定数を選ぶと不合格とする設計が想定され、設問数も閾値も2026年9月21日時点で公表されていません。参考問題で禁忌肢として示されたのは、譲り受け側に反社会的勢力との関係が疑われる情報を認識しながら、譲り渡し側の依頼者に説明せずに取引を進める行為です。正答は、調査結果を報告しリスクを説明する対応です。禁忌肢は「うっかり間違える知識」ではなく「支援者として選んではならない行為」を指しています。対策は、迷ったときの判断軸を先に決めておくことです。案件を進める選択肢が依頼者の利益や情報の透明性を損なうなら、進めないほうを選ぶ——この軸を持っているかで結果が決まります。実務経験がある人ほど、現場の慣行を基準に判断する危険があります。ガイドラインの禁止規定は「なぜ禁止されているのか」まで遡って読みます。理由を伴わない暗記は、状況が少し変わると使えません。
4つの型と参考問題に共通する設計——知識の再生ではなく判断を問う
4つの型と参考問題に共通しているのは、知識の再生ではなく判断を問う設計です。四肢択一でも、選択肢が「明らかな誤り」ではなく「もっともらしい対応」で構成されていれば、絞り込みは効きません。独占業務の境界判定と参考の禁忌肢問題は、依頼者の利益と案件を前に進めたい動機が衝突したときにどちらを取るかを問います。試験形式の現状案は設問60問程度・120分・CBT方式で、1問あたり平均2分です。事例型で読む時間を使う分、判断に迷わない状態が時間配分の面でも効きます。
サンプル問題は正式4問と参考1問しかないため、型を把握したあとは同じ型の問題で量をこなす必要があります。本試験問題の再現や転載をうたう教材には注意してください。当サイトは、公表資料の原文を根拠に独自に作成した問題のみを提供し、本試験問題の再現・転載は行いません。
問題集・一問一答を探している人へ——選ぶ基準
公式の問題集・一問一答は、2026年9月21日時点で公表されていません。市場にある問題集や一問一答型の教材はいずれも民間が作成したもので、公表資料に対応しているかは教材ごとに確かめる必要があります。選ぶ基準は、関連記事「教材・講座の選び方」で示した3つに絞れます。①検討会第4回資料3の出題範囲と4科目の出題割合に対応しているか。②未公表の事項を未公表と書いているか。③公式の試験案内・公式テキストが出たときに更新される前提か。問題演習型なら、さらに禁忌肢型の問題があるか、科目別の正答率が出るか、解説に根拠資料が示されるかを確かめます。
今すぐ無料で解ける練習問題——10問・20問・60問の使い分け
当サイトでは、公表資料を根拠に独自作成した練習問題を、3つの規模で無料で解けます。10問クイック診断は登録不要・約5分で、4科目から出題され、総合正解率と最も正答率が低かった科目を表示する、現在地を測る入口です。20問精密診断は無料会員向けで、科目別の正答率・弱点TOP3・次に確認する論点が出ます。合格基準の現状案に科目別最低基準50%程度があるため、弱い科目を特定する用途に向きます。本番想定60問模試は無料会員向けで、試験形式の現状案と同じ60問・120分です。終了後に科目別の正答率と弱点科目を表示し、結果はマイページに保存され前回比が出ます。
次の一歩:10問で現在地を測り、60問模試で本番形式を確かめてから教材を決める
最初の一歩は、登録不要の10問クイック診断で現在地を測ることです。次に無料会員登録のうえ、20問精密診断で弱い科目を特定し、60問模試で本番形式と型の問われ方を確かめます。科目別最低基準50%程度を下回る科目があれば、その科目から一次資料と入門書で基礎を固めます。演習量が必要と判断したら、中小M&A資格 合格対策パック(9,800円・一括払い・24か月利用・自動更新なし)を検討してください。本番模試480問(60問×8回)・論点別演習240問・分野特訓180問の計900問です。全問に解説と根拠資料を表示し、科目別・論点別の弱点分析と復習予定を出します。購入前に、無料の10問・20問・60問で問題の型を確認できます。無料の範囲で足りるなら、有料に進む必要はありません。
中小M&A資格の練習問題はどこで手に入りますか?
公式に存在するのは、中小企業庁の検討会第4回資料2に掲載されたサンプル問題の正式4問と参考の禁忌肢問題1問だけです。公表資料を根拠に独自作成した練習問題は、当サイトの10問クイック診断(登録不要)、20問精密診断・60問模試(無料会員)で解けます。
中小M&A資格試験の過去問はありますか?
存在しません。中小M&A資格試験(仮称)は2026年9月21日時点で実施されておらず、公表されている問題例はサンプル問題(正式4問+参考1問)だけです。
サンプル問題は何問ありますか?
公式の例題であるサンプル問題は正式4問(M&A実務、財務・税務、法務、倫理・行動規範の各1問)で、いずれも四肢択一です。あわせて参考として、禁忌肢のサンプル問題1問(倫理・行動規範)が示されています。2026年9月21日時点で、この5問以外の公式問題はありません。
一問一答形式の教材はありますか?
公式の一問一答・問題集は2026年9月21日時点で公表されていません。民間の教材は、検討会第4回資料3の出題範囲と出題割合への対応、未公表事項を未公表と書いているか、公式テキスト公表時に更新される前提か、の3基準で選びます。公表サンプルは事例への当てはめや計算手順を問うため、一問一答だけで完結させない構成が必要です。
無料で解ける問題はありますか?
あります。当サイトの10問クイック診断は登録不要・約5分、20問精密診断(4科目別の正答率つき)と本番想定60問模試・120分は無料会員で解けます。いずれも公表資料を根拠に独自作成した問題で、本試験問題の再現・転載ではありません。