この記事の目次(7項目)
組織再編税制とグループ通算制度は、出題範囲にあるが●印は付いていない
中小企業庁が検討会第4回の資料3として公表した出題範囲一覧には、財務・税務の税務部分に「組織再編税制に関する基礎知識」と「グループ通算制度に関する基礎知識」が掲載されている(2026年10月12日確認)。「グループ法人税制に関する基礎知識」も同じ区分に掲載されている。
この3項目には、いずれも優先出題項目を示す●印が付いていない(中小企業庁 資料3、2026年10月12日確認)。出題範囲一覧は項目ごとに●印の有無で優先度を区別する形式になっており、3項目はその区別上、●印が付かない側に置かれている。
この事実は、受験者が最初に判断すべき点を1つに絞る。組織再編税制とグループ通算制度は、範囲外として無視できる項目ではなく、かつ最優先で深追いする項目でもない、という位置にある。
同じ税務の区分で●印が付いている項目
税務の区分で●印が付いているのは、「各種税金の基本部分、考え方に関する基礎知識」と「役員退職金に関する税務知識」である(中小企業庁 資料3、2026年10月12日確認)。スキームごとの税務面の検討では、株式譲渡に●印が付いている。
●印の付き方は、税目や制度の網羅性より、中小M&Aで実際に金額が動く論点に寄っている。役員退職金は譲渡時の手残りに直結する論点であり、株式譲渡は税務面の検討対象として●印が付いた唯一のスキームである(中小企業庁 資料3、2026年10月12日確認)。
税務は財務・税務の内数で、60問中2〜3問程度とされている
検討会第4回の資料2では、財務・税務の出題割合は20〜23%程度、60問換算で12〜14問程度とされている(中小企業庁 資料2、2026年10月12日確認)。そのうち税務は内数で3〜5%程度、60問換算で2〜3問程度とされている。
これらは検討会資料に示された想定であり、確定した数値ではない。ただし想定として置かれている数字は、配分を考える材料にはなる。税務全体で2〜3問程度という枠の中に、●印が付いた3種類の項目と、●印のない組織再編税制・グループ通算制度・グループ法人税制が同居している。
財務・税務の12〜14問程度のうち、残りは財務側の項目である。財務側には簿記原理と決算処理、損益計算書、貸借対照表、キャッシュ・フロー計算書、バリュエーション・調査事項・譲渡額に関する財務知識などに●印が付いている(中小企業庁 資料3、2026年10月12日確認)。
●印がないことは「出題されない」ことではない
出題範囲一覧は、●印のない項目を出題対象から除くとは述べていない(中小企業庁 資料3、2026年10月12日確認)。●印は優先度の表示であり、除外の表示ではない。したがって組織再編税制やグループ通算制度を白紙のまま本番に向かう判断は、範囲内の項目を捨てる判断になる。
この判断が重くなる理由は合格基準の形にある。検討会資料2では、合格基準として総得点の70〜80%程度に加え、科目別の最低基準を50%程度置く想定が示されている(中小企業庁 資料2、2026年10月12日確認)。財務・税務が12〜14問程度であれば、その半分を割らない水準が必要になる。
科目別の最低基準は、1科目の失点を他科目で埋める形を防ぐために置かれた想定である(中小企業庁 資料2、2026年10月12日確認)。財務が得意で税務が白紙という状態は、科目全体では通っても科目別の基準で詰まる形になりうる。
配分の決め方——●印から埋め、●印のない税制は用語レベルで止める
確認できた事実から導ける配分は2段構えである。第1段は、税務の●印が付いた3種類、すなわち各種税金の基本部分と考え方、役員退職金、株式譲渡の税務面を、設問として答えられる水準まで固めること。第2段は、組織再編税制・グループ通算制度・グループ法人税制を、制度の目的と適用される場面を説明できる水準で止めることである。
第2段を「用語レベルで止める」と決める根拠は、●印がないことと、税務全体が2〜3問程度とされていることの2点にある。この2点は中小企業庁の公表資料で確認できる(資料3・資料2、2026年10月12日確認)。計算まで踏み込む学習時間を、●印が付いた項目より先に置く理由は、公表資料の中には見あたらない。
税理士・公認会計士として組織再編税制を実務で扱ってきた受験者は、この順番が逆に働くことがある。既習の深い領域から入ると、●印が付いた基本部分の確認が後回しになる。出題範囲一覧の●印は、既習かどうかではなく出題の優先度で付いている(中小企業庁 資料3、2026年10月12日確認)。
2026年10月12日時点で公表されていないこと
中小M&A資格試験の試験日、受験申込方法、受験料、受験資格、試験の正式名称、公式テキストは、2026年10月12日時点でいずれも公表されていません。出題範囲一覧の●印の有無と、科目別の出題割合・合格基準の想定は検討会資料で確認できますが、これらも検討会資料に示された想定であり、確定した内容として公表されたものではありません。
したがって本記事の配分の考え方は、確定情報ではなく公表済みの想定にもとづく判断である。出題割合や合格基準が確定として公表された時点で、●印のない項目に割く時間の判断はやり直す必要がある。
次の一歩:税務にあたる2〜3問を取れているかを先に確認する
今日できることは1つに絞れる。無料模試を60問・120分の形で1回通し、財務・税務の12〜14問のうち税務にあたる設問を落としていないかだけを見ることである。組織再編税制やグループ通算制度の学習時間をどれだけ確保するかは、●印が付いた税務の基本部分を取れているかどうかが分かってから決めるほうが、順番として崩れない。
この順番に価値があるのは、税務が財務・税務の内数で3〜5%程度とされており、●印の付いた項目を落としたまま●印のない税制に時間を移すと、科目別の最低基準50%程度という想定に対して効率が逆向きになるためである。無料登録をすると実力診断と模試の結果が保存され、次に同じ範囲を解いたときに税務の設問だけを前回と比べられる。
中小M&A資格試験で組織再編税制は勉強する必要がありますか。
必要です。組織再編税制に関する基礎知識は中小企業庁の出題範囲一覧に掲載されています(2026年10月12日確認)。ただし優先出題項目を示す●印は付いておらず、●印が付いた各種税金の基本部分・考え方、役員退職金、株式譲渡の税務面を先に固める配分になります。
グループ通算制度はどこまで深く勉強すればよいですか。
制度の目的と適用される場面を説明できる水準が、公表資料から説明できる範囲です。グループ通算制度に関する基礎知識は出題範囲一覧に●印なしで掲載されており、税務全体は財務・税務の内数で3〜5%程度、60問換算で2〜3問程度とされています(中小企業庁 資料3・資料2、2026年10月12日確認)。
税務は何問出ますか。
検討会資料2では、財務・税務が20〜23%程度で60問換算12〜14問程度、そのうち税務は内数で3〜5%程度、60問換算2〜3問程度とされています(2026年10月12日確認)。これは検討会資料に示された想定であり、確定した問数ではありません。
●印が付いていない項目は捨ててよいですか。
捨てる判断は取れません。出題範囲一覧は●印のない項目を出題対象から除くとは述べていません(中小企業庁 資料3、2026年10月12日確認)。加えて科目別の最低基準を50%程度置く想定が示されているため、財務・税務の中で税務を白紙にする形は科目別の基準で詰まりやすくなります。
税理士として組織再編税制は実務で扱っています。今から何を準備すればいいですか。
既習の深い領域より先に、●印が付いた税務の基本部分を確認してください。出題範囲一覧の●印は既習かどうかではなく出題の優先度で付いています(2026年10月12日確認)。無料模試を1回通し、財務・税務の設問のうち税務にあたる部分を落としていないかを先に確かめるのが、最短の確認手順です。