この記事の目次(9項目)
出題範囲一覧のDDは「調査して終わる工程」として並んでいない
中小企業庁が検討会第4回の資料3として公表した出題範囲一覧は、個別のDDの小項目を2つ置いています。1つは「実施目的及び主な調査項目」、もう1つは「主な検出事項及びその対応方法」です。前者は何を調べるかを指し、後者は調べて出てきた事項をどう扱うかを指します。2026年10月8日時点で、この2つは財務・税務DD、法務DD、人事・労務DD、その他DDの4種別すべてに同じ形で置かれています。
この並び方は、学習の重心を決めます。DDの進め方を順に説明できても、検出した事項をその後の条件にどう反映するかを言葉にできなければ、後者の小項目に対応できません。出題範囲一覧は小項目の名称を並べた資料で、対応方法の具体的な中身は書かれていません。
「主な検出事項及びその対応方法」は4種別のDDすべてに置かれている
出題範囲一覧のM&A実務科目には、「DD(全体)」と「DD(個別)」の2つの区分があります。「DD(個別)」の下に並ぶのは、財務・税務DD、法務DD、人事・労務DD、その他DDの4種別です。4種別はいずれも小項目が共通で、「実施目的及び主な調査項目」と「主な検出事項及びその対応方法」の2つです。種別ごとに調べる対象は変わりますが、問われる型は同じです。
共通構造は、演習の組み立て方に直結します。1つの種別で「目的から調査項目へ、調査項目から検出事項へ、検出事項から対応方法へ」の順に説明できるようにすれば、残りの3種別は対象を入れ替えて同じ型で確認できます。2026年10月8日時点の出題範囲一覧は、どの種別を何問出すかを示していません。
検出事項の受け皿は「最終契約」——3つの科目に分かれて置かれている
「最終契約」は、出題範囲一覧のなかで3つの科目に分かれて置かれた中項目です。中小企業庁の出題範囲一覧では、M&A実務、財務・税務、法務のそれぞれに「最終契約」が置かれています。倫理・行動規範には置かれていません。DDで検出した事項が契約条項に反映される工程は、1つの科目にまとまっていません。
科目が分かれていることは、同じ論点が3通りの角度で問われることを意味します。M&A実務では支援者が踏む工程として、財務・税務では税務知識として、法務では法律知識として並びます。設問文の題材が同じでも、求められる判断の軸が違います。
表明保証は3つの科目に別々の名前で置かれている
「表明保証」は、3つの科目の「最終契約」にそれぞれ別の名前で置かれています。M&A実務では「表明保証条項」、財務・税務では「表明保証に関する税務知識」、法務では「表明保証に関する法律知識」です。2026年10月8日時点の出題範囲一覧で、この3つは別の小項目として並んでいます。
名前の違いは、問われる中身の違いです。「表明保証条項」は条項を設定する工程を指し、支援者が何をどの順で検討するかが対象になります。「表明保証に関する税務知識」は、表明保証の対象となる税務上の事項を判断するための知識を指します。「表明保証に関する法律知識」は、条項の法的な効果を扱います。同じ語を含む3つの小項目を1つのものとして覚えると、科目別の設問で取りこぼしが出ます。
出題範囲一覧に「補償」という語を含む小項目は置かれていない
「補償」という語を含む小項目は、2026年10月8日時点の出題範囲一覧に置かれていません。実務の解説では表明保証と補償を一組で扱う例がありますが、中小企業庁の出題範囲一覧はこの語を小項目名として採用していません。学習の範囲を出題範囲一覧に合わせるなら、先に固めるのは「表明保証」の3つの小項目です。
ただし、出題範囲一覧に語がないことは、関連する知識が不要であることを示しません。出題範囲一覧は小項目の名称を並べた資料で、各小項目の内側で何が問われるかは書かれていません。語の有無は、学習の順番を決める材料として扱います。
調査側も3科目に分かれる——手続・財務知識・税務知識・法律知識
DDの調査側も、科目をまたいで置かれています。財務・税務科目の「財務DD」には「調査事項に関する財務知識」、「税務DD」には「調査事項に関する税務知識」が置かれています。法務科目の「法務DD」には「調査事項に関する法律知識」が置かれています。M&A実務側が手続を扱い、財務・税務側と法務側が知識を扱う形です。
この分担は、誤答の原因を切り分ける基準になります。手順の順序を取り違えた誤答はM&A実務側の項目に戻り、調査事項の中身を知らなかった誤答は財務・税務側または法務側の項目に戻ります。同じ「DDの設問を間違えた」でも、戻る先が違います。
契約条項の実物は、ガイドラインの参考資料として公表されている
最終契約の条項の実物は、中小M&Aガイドラインの参考資料として公表されています。中小企業庁のガイドライン掲載ページには参考資料7「各種契約書サンプル」が置かれ、2026年10月8日時点で2025年12月15日時点版が掲載されています。出題範囲一覧が小項目の名称しか示さない以上、条項の文言そのものを読む材料はガイドライン側にあります。
公式テキストは2026年10月8日時点で公表されていません。試験を実施する団体は株式会社銀行研修社で、中小企業庁が2026年5月1日に委託先として公表しました。その採択結果のページに、試験日・受験料・申込方法の記載はありません。
出題範囲一覧に書かれていないこと
出題範囲一覧は、各小項目の出題数を示していません。2026年10月8日時点で、試験日、受験申込方法、受験料、受験資格、試験の正式名称、公式テキストは、いずれも公表されていません。検討会資料に示された試験の設計は、すべて現状案です。
合格後の登録も現状案の段階にあります。中小企業庁が検討会第5回の資料2として2026年7月21日に公表した資料では、登録の要件、有効期限、更新講習、欠格事由、登録の取消し、登録者検索システム(仮称)が案として示されています。これらが確定した内容として公表された事実は、2026年10月8日時点でありません。
次の一歩:模試の誤答を「検出」と「割り当て」に分けて数える
この記事を読んだ今日できることは1つです。無料模試のDDと最終契約の設問を見直し、誤答を「検出すべき事項を挙げられなかった」と「挙げた事項を契約条項に割り当てられなかった」の2つに分けて数えることです。
出題範囲一覧が「主な検出事項及びその対応方法」を4種別すべてに置き、「表明保証」を3つの科目に分けて置いている以上、この2つは別の失点として扱う価値があります。前者が多ければ個別DDの調査事項に戻り、後者が多ければ3科目の「最終契約」の小項目に戻ります。無料登録をすると診断と模試の結果が保存され、次に受けたときに同じ切り分けで前回と比べられます。
中小M&A資格試験でDDはどの科目から出題されますか?
M&A実務、財務・税務、法務の3つの科目です。M&A実務に「DD(全体)」と「DD(個別)」が置かれ、財務・税務に「財務DD」と「税務DD」、法務に「法務DD」が置かれています。倫理・行動規範にDDの中項目は置かれていません。
表明保証は1つの科目で覚えれば足りますか?
3つの科目に別の小項目として置かれているため、分けて整理します。M&A実務の「表明保証条項」は工程、財務・税務の「表明保証に関する税務知識」は税務上の判断、法務の「表明保証に関する法律知識」は条項の法的な効果を扱います。
補償については勉強しなくてよいのですか?
出題範囲一覧には「補償」という語を含む小項目が置かれていないため、学習の順番としては「表明保証」の3つの小項目を先に固めます。出題範囲一覧は小項目の名称を並べた資料で、各小項目の内側の論点は書かれていません。
最終契約の条項はどこで読めますか?
中小M&Aガイドラインの参考資料7「各種契約書サンプル」です。中小企業庁のガイドライン掲載ページに置かれ、2026年10月8日時点で2025年12月15日時点版が掲載されています。公式テキストは同日時点で公表されていません。
今から何を準備すればいいですか?
無料模試のDDと最終契約の設問について、誤答を「検出できなかった」と「契約条項に割り当てられなかった」に分けて数えることから始めます。前者が多ければ個別DDの調査事項、後者が多ければ3科目の「最終契約」に戻ります。試験日は2026年10月8日時点で公表されていません。