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公表されている法務のサンプル問題は1問——アドバイザリー契約の免責事項を問う
中小M&A資格試験の法務のサンプル問題は、中小企業庁の検討会第4回資料2に1問公表されています。形式は四肢択一で、出題範囲上の小項目は「アドバイザリー契約に関する法律知識(免責事項)」です。設問は、アドバイザリー契約の免責事項に関する記述として正しいものを選ばせる形をとっています。同資料は正答番号③を示しており、解説文は付されていません。
正式なサンプル問題は4科目それぞれ1問ずつの計4問で、法務はそのうちの1問です。参考として、禁忌肢のサンプル問題が倫理・行動規範で別に1問示されています。試験日・受験申込方法・受験料・受験資格は2026年9月23日時点で公表されていません。法務の出題の型を一次資料で確かめられるのは、この1問だけです。
正答③が述べているのは「義務は消えない」と「範囲は一律に決まらない」の2段構え
正答③は、免責条項があってもアドバイザーが当然に負うべき正確かつ適切な情報提供義務が直ちに消えるわけではない、と述べています。同じ肢は続けて、その義務の範囲が条項の文言・事案の性質・当事者の関与状況等に応じて判断されるとしています。前半が結論、後半が但し書きです。
学習で先に押さえるべきなのは後半です。前半だけを覚えた受験者は「免責条項は効かない」という別の言い切りを手に入れることになり、条項の書き方や当事者の関与の度合いで結論が動く設問に対応できません。中小企業庁の検討会第4回資料2が示した正答は、免責条項が効くか効かないかの二択ではなく、義務の範囲が事案ごとに決まるという答えです。
誤答3肢に共通するのは「文言だけで結論が出る」という前提
誤答①は、契約で免責が明記されていればアドバイザーは相手方情報の検証義務を負わない、とする肢です。免責条項の存在を理由に、情報の検証という具体的な行為の義務が消えると読ませています。
誤答④は、免責条項がある限りアドバイザーの善管注意義務は課されない、とする肢です。①と④は、免責条項があれば義務が消えるという同じ誤りを、情報提供の義務と善管注意義務という別々の対象に置き換えて2回置いたものです。
誤答②は向きが逆で、免責条項は相手方が専門家でない場合には常に無効である、とする肢です。②は条項を一律に無効とする点で①④の反対側に立ちますが、条項の文言と相手方の属性だけで結論が出るとしている点では①④と同じ構えです。
3つの誤答はいずれも例外を認めない形で書かれ、正答③だけが判断の幅を残しています。公表されている法務のサンプル問題1問に限って言えば、言い切る肢が誤りで、幅を残す肢が正答という並びです。
この1問が測っているのは条文知識ではなく、義務の範囲を事案ごとに決められるか
免責条項の有効性に関する条文や判例の知識を持っていても、①②④のどれを外すかは決まりません。①②④はいずれも法律用語として正しい言葉で書かれており、誤っているのは言葉ではなく、結論を出す根拠の置き方です。4肢の分岐点は、条項の文言から結論を出すか、事案の事情から結論を出すかの1点にあります。
したがって、この型の問題への対策は用語の暗記ではありません。ある条項を読んだときに、その条項だけで結論が出るのか、事案の事情を見ないと決まらないのかを毎回判定する習慣が、そのまま得点になります。
法務は4科目で最も小さい科目——1問の重みが他科目より大きい
法務の出題割合は17〜18%で、4科目の中で最も小さい科目です(現状案)。合格基準は総得点70〜80%程度に加えて科目別最低基準50%程度が置かれており、いずれも現状案として公表されています。
出題数が最も少ない科目に50%の最低基準が置かれるため、法務は落とせる問題数が4科目の中で最も少なくなります。サンプル問題と同じ型、つまり条項の効力の及ぶ範囲を問う問題を2問続けて外すと、科目別基準の側から先に危なくなります。総得点で取り返す発想が使いにくいのが、この科目の位置づけです。
他の3問と並べると、法務だけが「書いてある文言の効き方」を問うている
M&A実務のサンプル問題は、株式譲渡と事業譲渡を3つの軸で比較させる問題です。財務・税務のサンプル問題は、与えられた数値からフリー・キャッシュ・フローを算定させる計算問題です。倫理・行動規範のサンプル問題は、支援者の行動の適否を問う問題で、参考問題では禁忌肢が設定されています。
法務のサンプル問題だけが、文書に書かれた条項が法的にどこまで効くかを問うています。比較でも計算でも行動の適否でもなく、書面の文言と法的効果のずれを扱う点が、法務の1問の独自性です。4科目を同じ勉強法で回すと、この科目だけ手当てが抜けます。
同じ場面が法務と倫理・行動規範の両方から問われる——問い方が違う
免責条項をめぐる場面は、法務だけの論点ではありません。法務のサンプル問題は、免責条項があるときに義務が残るかどうか、残る範囲は何で決まるかを問うています。倫理・行動規範のサンプル問題は、支援者の行動が適切かどうかを問う形をとり、参考として示された禁忌肢のサンプル問題も同じ科目に置かれています。
同じ「免責条項があるから説明を省いた」という行動でも、法務では義務の範囲の問題として、倫理・行動規範では行動の適否の問題として出てきます。合格基準は総得点70〜80%程度、科目別最低基準50%程度、禁忌肢の3層で構成されており(いずれも現状案)、禁忌肢が設定されるのは倫理・行動規範です。法務で義務の範囲を判断できることと、倫理・行動規範で選んではいけない行動を外せることは、別々に点検する必要があります。
この1問から自分用の問題を作る手順
条項を固定し、事情だけを動かすのがこの型の作問法です。第1に、免責条項の文言を1つ決めて紙に書き出します。第2に、事案の事情を2通り用意します。相手方が専門家かどうか、支援者がどこまで検証したか、当事者がどの程度関与したか、の3点を振ると2通りが作れます。
第3に、同じ条項のまま結論が変わるかどうかを書きます。結論が変わるなら、その条項は単独では結論を決めていないことになり、正答③が述べている構造と一致します。変わらないと書いたなら、根拠として何を見たのかを1行で書き足します。そこに条項の文言しか挙がらない場合、①④と同じ読み方をしていることになります。
次の一歩:法務の誤答を「文言で選んだ問題」と「あてはめを外した問題」に分ける
今日できることは1つです。無料の模試で法務の問題を解き、間違えた問題を2つの箱に分けてください。条項や規定の文言を根拠に選んで外した問題が1つ目の箱、要件へのあてはめや手続の順序で外した問題が2つ目の箱です。1つ目の箱に多く入る人は、公表されている法務のサンプル問題の誤答①②④と同じ読み方をしています。
この仕分けを先にやる価値は、次に読む一次資料が変わるからです。1つ目の箱が厚い人は条文を増やすより、同じ条項で結論が変わる事案を作る練習が効きます。2つ目の箱が厚い人は、会社法や労働法の手続を科目別対策で詰め直すほうが速く戻せます。無料登録をしておくと診断・模試の結果が保存され、次回以降の学習で同じ仕分けを前回分と比べられます。
中小M&A資格試験の法務のサンプル問題は何問公表されていますか。
1問です。中小企業庁の検討会第4回資料2に、アドバイザリー契約の免責事項を扱う四肢択一の問題が1問示されています。正式なサンプル問題は4科目それぞれ1問ずつの計4問で、法務はそのうちの1問です。
法務のサンプル問題の正答は何番ですか。
③です。中小企業庁の検討会第4回資料2が正答番号③を示しています。同資料に解説文は付されておらず、示されているのは正答番号までです。
免責条項が契約書にあれば、アドバイザーは責任を負わないのですか。
公表されているサンプル問題の正答肢は、そうは述べていません。正答③は、免責条項があってもアドバイザーが当然に負うべき正確かつ適切な情報提供義務が直ちに消えるわけではないとし、その義務の範囲は条項の文言・事案の性質・当事者の関与状況等に応じて判断されるとしています。
法務のサンプル問題は、条文を暗記していれば解けますか。
条文の暗記だけでは肢を絞れません。誤答①②④はいずれも法律用語として通る言葉で書かれており、誤りは言葉ではなく結論の出し方にあります。条項の文言だけで結論を出す肢を外す判断が、この問題で問われています。
法務の対策は今日から何を始めればいいですか。
無料の模試で法務の問題を解き、誤答を「条項の文言を根拠に選んだ問題」と「要件へのあてはめを外した問題」に分けるところから始めます。前者が多いなら同じ条項で結論が変わる事案を自分で作る練習に、後者が多いなら会社法・労働法の手続の整理に進むと、次に読む一次資料が決まります。