この記事の目次(8項目)
  1. 専任条項・テール条項は倫理・行動規範の小項目で、●は付いていない
  2. ガイドライン第3版は3つの条項を連続した節で扱っている
  3. 専任条項で確認されるのは「並行依頼」「セカンド・オピニオン」「有効期間」
  4. 直接交渉の制限で確認されるのは「自ら発見した候補先」「目的」「有効期間」
  5. テール条項で確認されるのは「2年〜3年以内」と「紹介してきた譲り受け側に限定」
  6. 3条項は禁忌肢が設定される科目の中にある
  7. 条項名ではなく「確認項目の形」で覚える
  8. 次の一歩:無料模試の倫理・行動規範の問題を、3条項の確認項目に言い換えて見直す

専任条項・テール条項は倫理・行動規範の小項目で、●は付いていない

中小M&A資格試験(仮称)の出題範囲一覧には、「専任条項の留意点」「直接交渉の制限に関する条項の留意点」「テール条項の留意点」の3つが、倫理・行動規範の科目の小項目として掲載されています(中小企業庁・検討会第4回資料3、2026年3月17日公表)。当サイトは2026年10月18日に同資料を確認し、3つのいずれにも優先出題項目を示す●が付いていないことを確かめました。

●が付いていないことは、出題されないことを意味しません。倫理・行動規範の出題割合は25%程度で、60問程度の試験では15問程度に相当します(検討会第4回資料2、現状案)。●は科目内の優先度を示す印であり、科目から除外する印ではありません。

出題割合・問数・合格基準はいずれも現状案です。試験日・受験料・申込方法は、2026年10月18日時点で公表されていません。

ガイドライン第3版は3つの条項を連続した節で扱っている

中小M&Aガイドライン第3版は、第2章「支援機関向けの基本事項」のII「M&A専門業者」に、7「専任条項の留意点」、8「直接交渉の制限に関する条項の留意点」、9「テール条項の留意点」を連続して置いています。3つの条項は、ガイドライン本文でも出題範囲一覧でも隣り合っています。

倫理・行動規範の出題母体は中小M&Aガイドライン第3版です(検討会第4回資料2)。3つの条項を別々に暗記するのではなく、仲介契約・FA契約を締結する場面の1単位として覚えるのが、資料の並びに沿った学習順です。

専任条項で確認されるのは「並行依頼」「セカンド・オピニオン」「有効期間」

専任条項について、中小M&Aガイドライン第3版の参考資料6「仲介契約・FA契約締結時のチェックリスト」は、マッチング支援の間に他の仲介者・FAへ並行して依頼することが禁止されていないかを確認項目に挙げています。専任条項の中身は、この並行依頼の制限です。

同チェックリストは、専任条項があっても士業等専門家等にセカンド・オピニオンを求めることが可能かを、別の確認項目として挙げています。他の仲介者・FAへの並行依頼の可否と、士業等専門家へのセカンド・オピニオンの可否は、チェックリスト上で別の項目です。この2つを1つにまとめて覚えると、選択肢の正誤を分ける軸を見失います。

同チェックリストは、専任条項がいつまで有効かを確認項目に挙げています。専任条項については、年数の目安が示されていません。

直接交渉の制限で確認されるのは「自ら発見した候補先」「目的」「有効期間」

直接交渉の制限に関する条項について、参考資料6は、譲渡側が仲介者・FAを介さずに候補先へ接触・交渉することを禁止する条項があるかを確認項目に挙げています。

同チェックリストは、譲渡側が自ら発見した候補先についても、譲渡側が了解していないまま活動が禁止される内容になっていないかを確認項目に挙げています。自ら候補先を見つける活動と、自ら見つけた候補先との交渉を支援機関に支援させる活動が、了解のないまま封じられていないかを見る項目です。

同チェックリストは、交渉・接触の目的が候補先との間のM&A取引に関するものに限定されているかを確認項目に挙げています。さらに、条項の有効期間が仲介契約・FA契約の契約期間と一致しているかを確認項目に挙げています。3条項のうち、有効期間を契約期間と一致させるかという軸を持つのは、この条項です。

テール条項で確認されるのは「2年〜3年以内」と「紹介してきた譲り受け側に限定」

テール条項は、M&Aが成立しないまま仲介契約・FA契約が終了した後、一定期間内に譲渡側がM&Aを成立させた場合に、仲介者・FAが手数料を請求できる条項です。参考資料6は、この期間について「その期間は2年〜3年以内か」を確認項目に挙げています。

2年〜3年以内という年数は、3条項に関する公表資料のうち数字が示されている唯一の箇所です。専任条項と直接交渉の制限には年数が示されていないため、年数が出てきた選択肢はテール条項の論点だと判断できます。

同チェックリストは、対象となるM&Aが、その仲介者・FAが実際に紹介してきた譲り受け側とのM&Aに限定されるかを確認項目に挙げています。期間と対象範囲の2つが、テール条項の確認項目です。

2年〜3年以内という年数は、中小M&Aガイドライン第3版の参考資料6が契約を確認する際の確認項目として示したものです。法令が定めた上限ではなく、試験の正解として公表されたものでもありません。

3条項は禁忌肢が設定される科目の中にある

禁忌肢は、倫理・行動規範の問題に設定される案が示されています(検討会第4回資料2、現状案)。3条項は、その倫理・行動規範の小項目として掲載されています。

公表されている禁忌肢のサンプル問題は1問で、善管注意義務を扱い、中小M&Aガイドラインに明らかに反する選択肢が禁忌肢とされています(検討会第4回資料2、参考として掲載)。禁忌肢の対象となる具体的な行為の一覧は、2026年10月18日時点で公表されていません。

3条項の確認項目は、ガイドラインが確認すべきとした事項です。支援機関がこれを確認せずに契約を締結する行為は、ガイドラインに反する行為に当たります。選択肢の正誤は条項の名前ではなく、確認項目を満たしているかどうかで分かれます。

条項名ではなく「確認項目の形」で覚える

3条項について覚えるのは定義文ではなく、参考資料6が問いの形で並べた確認項目です。選択肢は条項名を伏せて場面として書かれることがあり、そのとき手がかりになるのは確認項目のほうです。

取り違えを防ぐ軸は3つあります。年数が出てくるのはテール条項、有効期間を契約期間と一致させるかを見るのは直接交渉の制限、セカンド・オピニオンの可否を見るのは専任条項です。この3つの軸で分けておくと、条項名を入れ替えた選択肢に気づけます。

公表されたサンプル問題4問に、この3条項を直接問う問題は含まれていません(検討会第4回資料2)。法務のサンプル問題はアドバイザリー契約の免責事項を扱い、倫理・行動規範のサンプル問題は独占業務違反を扱っています。契約条項が出題されるときの問い方は、公表された4問からは読み取れません。

次の一歩:無料模試の倫理・行動規範の問題を、3条項の確認項目に言い換えて見直す

今日できることを1つに絞ります。無料模試を受けたあと、倫理・行動規範の問題だけを抜き出し、仲介契約・FA契約の条項を扱う問題について、自分が選んだ選択肢が「並行依頼の禁止か」「セカンド・オピニオンの可否か」「自ら発見した候補先の扱いか」「有効期間と契約期間の一致か」「2年〜3年以内か」「紹介してきた譲り受け側に限定されるか」のどの確認項目に当たるかを言い換えてみてください。

この記事で挙げた確認項目は、読むだけなら数分で終わります。条項名は覚えていても確認項目に言い換えられない状態かどうかは、選択肢を選んだ直後にしか確かめられないため、模試を1回通してから見直す順番にする価値があります。無料登録をすると診断・模試の結果が保存され、次回以降の学習に使えます。

専任条項とテール条項は中小M&A資格試験の出題範囲に入っていますか。

入っています。出題範囲一覧には「専任条項の留意点」「テール条項の留意点」がいずれも倫理・行動規範の小項目として掲載されています(中小企業庁・検討会第4回資料3)。2026年10月18日時点で、どちらにも優先出題項目を示す●は付いていません。

テール条項の期間は何年ですか。

中小M&Aガイドライン第3版の参考資料6が、確認項目として「その期間は2年〜3年以内か」を挙げています。これは契約を確認する際の確認項目として示された年数であり、法令が定めた上限ではありません。3条項に関する公表資料のうち、数字が示されているのはこの箇所だけです。

専任条項があるとセカンド・オピニオンは取れないのですか。

参考資料6は、専任条項があっても士業等専門家等にセカンド・オピニオンを求めることが可能かを、別の確認項目として挙げています。他の仲介者・FAへ並行して依頼することの可否と、士業等専門家へセカンド・オピニオンを求めることの可否は、チェックリスト上で別の項目です。

この3条項は禁忌肢になりますか。

禁忌肢の対象となる具体的な行為の一覧は、2026年10月18日時点で公表されていません。公表されているのは、禁忌肢を倫理・行動規範の問題に設定する案(現状案)と、善管注意義務を扱う禁忌肢のサンプル問題1問です(検討会第4回資料2)。

今から何を準備すればいいですか。

3条項の確認項目を、参考資料6にある問いの形のまま書き出してください。そのうえで無料模試の倫理・行動規範の問題を解き、選んだ選択肢をその確認項目に言い換えられるかを確かめる順番が、公表を待たずに進められる準備です。