この記事の目次(11項目)
- 試験の要点:4科目・全60問程度・120分、合格基準は3層の想定
- 試験日までの約12週の進め方——11月3日から日付で区切る
- 科目別の重心——時間は出題数ではなく「50%との距離」で配る
- M&A実務(22問程度):工程表を自分で書き、スキームを比べる問題を解く
- 財務・税務(13問程度):公表サンプルの計算を途中式つきで再現する
- 法務(10問程度):条項と要件にあてはめ、理由を一文で言う
- 倫理・行動規範(15問程度):ガイドライン第3版の「してはならない」を集める
- 教材の選び方:5つの選択肢を「費用・問題数・解説・本番形式」で比べる
- 模試の使い方:無料の60問は1回目に使い、終盤の通しは問題の重なりで選ぶ
- 禁忌肢の備え:得点を伸ばす準備とは別に、踏まない準備をする
- 次の一歩:今日、本番想定60問模試の1回目で4科目の正答率を出す
試験の要点:4科目・全60問程度・120分、合格基準は3層の想定
中小M&A資格試験(正式名称:中小企業M&A実務能力・倫理検定試験)の対策で最初に押さえるのは、2026年10月30日に発表された形式と、中小企業庁の検討会資料が示した合格基準の想定の2つです。経済産業省・中小企業庁の同日の発表では、試験日は令和9年(2027年)1月28日(木)〜30日(土)のうち任意の1日で、CBT方式・120分・多肢選択式(四肢択一)・全60問程度、会場は全国約170か所、受検資格は年齢・学歴等に関係なく誰でも受検できます(発表値・確定)。出題数の内訳は、M&A実務22問程度(中小M&A市場動向・中小企業政策関連を含む)、財務・税務13問程度、法務10問程度、倫理・行動規範15問程度です(発表値・確定)。運営主体は中小企業庁、事務局は委託先の株式会社銀行研修社で、出題に適用される法令・制度の基準日は令和8年3月末日です(出題科目詳細)。
合格基準(配点・合格点)は10月30日の発表資料に記載がなく、2026年11月3日時点で公表されていません。中小企業庁の検討会第4回資料2(2026年3月17日)が示した想定は、総得点70〜80%程度・科目別50%・倫理・行動規範の禁忌肢という3層です(検討会資料の想定・現状案)。全60問程度に当てはめると、総得点は42〜48問、科目別50%はM&A実務11問・倫理・行動規範8問前後・財務・税務7問前後・法務5問にあたります(当サイトの算出値。問題数が変われば変わります)。
図のとおり、対策の組み方を決めるのは右側の3層です。総得点だけを目標にすると、得意科目で稼いで苦手科目を残す形になり、科目別50%の層で止まります。禁忌肢は得点とは別の軸で、設問数と不合格となる誤答数は2026年11月3日時点で公表されていません。公募要領(2026年3月27日)は、合否を後日判定とし、初回は相対評価とする想定を示しています。このため本記事は、4科目すべてを50%より上に置き、そのうえで総得点を積み、倫理・行動規範では禁忌肢を踏まない順で対策を組みます。受検料・申込受付期間・申込方法も2026年11月3日時点で公表されておらず、発表資料には11月中に具体的な受検申込み方法等を記載した受検案内を公表すると書かれています。
試験日までの約12週の進め方——11月3日から日付で区切る
2026年11月3日から試験初日の1月28日までは86日です。当サイトの進め方は、11月3日(火)から1月25日(月)までの12週を「測る1週・埋める5週・回す4週・通す2週」に分け、1月26日(火)・27日(水)を誤答の解き直しに充てる形です(当サイトの学習案で、公式の計画ではありません)。
図のとおり、各ブロックの終わりの判断基準は、すべて科目別の正答率で決めています。科目別50%(検討会資料の想定)が4科目すべてにかかるため、読んだ項目の数や勉強した時間では次のブロックへ進むかを決めません。
始める日が11月3日より遅い場合は、残りの週数に同じ比率を当てはめ直し、第1週の測定と最後の2回の通しは削らずに残します。
科目別の重心——時間は出題数ではなく「50%との距離」で配る
4科目への時間の配り方は、出題数の比ではなく、各科目の正答率が50%からどれだけ離れているかで決めます。50%を割る科目が1つでもあれば、その科目が最優先です(検討会資料の想定する科目別50%の層)。4科目とも50%を上回ったら総得点の層に移り、出題数の多い科目から順に上積みします。
M&A実務(22問程度):工程表を自分で書き、スキームを比べる問題を解く
M&A実務の重心は、案件の工程を最初から最後まで順に説明できる状態をつくることです。出題科目詳細のM&A実務には、事前相談・秘密保持契約・アドバイザリー契約からバリュエーション、マッチング、意向表明/基本合意、DD、最終契約、クロージング、クロージング後(PMI)までの工程が並びます。小項目を工程順に並べた工程表をつくり、各工程で誰が何をどの書面で行うかを書き込みます(当サイトの学習案)。
解く型は、公表サンプルの「スキーム選択の比較判断」です(検討会第4回資料2)。中小企業政策の範囲では、M&A支援機関登録制度が事業者(FA・仲介業者)単位の制度で、中小M&Aガイドラインの遵守の宣言等が登録要件であり、登録数は3,399件(法人2,606件/個人事業主793件・令和8年3月9日時点)であることを押さえます。この科目の判断基準は、白紙に工程表を書いたときに抜ける工程がないかです。
財務・税務(13問程度):公表サンプルの計算を途中式つきで再現する
財務・税務の重心は、読むことより手を動かすことです。公表サンプルの財務・税務は、営業利益から出発してフリー・キャッシュ・フローを算定させる計算問題で、正答は25百万円でした(検討会第4回資料2)。出題科目詳細には財務3表、企業価値評価の3手法(コスト・マーケット・インカム)、株式譲渡の課税、財務DD・税務DDなどが並び、一次資料で読めるのは項目名までなので、基礎に不安がある人は市販の入門書で補います。
解く手順は、公表サンプルを答えを見ずに途中式つきで解き、同じ型を数値を変えて繰り返すことです(当サイトの学習案)。計算結果が選択肢にあることは正しさの証拠にならないため、この科目の判断基準は、正答した問題でも途中式を最後まで書けたかです。13問程度の科目では、1問の取りこぼしが科目の正答率の約8ポイントにあたります(当サイトの計算)。
法務(10問程度):条項と要件にあてはめ、理由を一文で言う
法務の重心は、条文や契約条項を事例にあてはめて効力を判断する練習です。公表サンプルの法務は、契約条項(免責)の効力を判断させる型でした(検討会第4回資料2)。出題科目詳細の法務には、商法・会社法・民法・弁護士法などの法律の基礎知識、秘密保持契約・アドバイザリー契約・最終契約(表明保証)などに関する法律知識、法務DD、リスク/係争が並びます。入門書を使う場合は、出題に適用される法令・制度の基準日(令和8年3月末日)に対応しているかを刊行時期で確かめます。
10問程度の科目では、1問が科目の正答率の10ポイントにあたり、50%相当の5問に対して4問の正答なら40%で科目別50%を割ります(検討会資料の想定に基づく当サイトの計算)。倫理・行動規範の公表サンプルである独占業務の境界判定は法務の範囲と重なるため、法務の側でも同じ事例を解いておきます。この科目の判断基準は、選んだ肢の理由を要件の言葉で一文にできるかです。
倫理・行動規範(15問程度):ガイドライン第3版の「してはならない」を集める
倫理・行動規範の重心は、中小M&Aガイドライン第3版(中小企業庁・2024年8月30日公表)を通読し、支援機関の行動として「してはならない」と書かれた箇所を集めることです。出題科目詳細の小項目は、使命/仲介者・FAの選定等/基本原則/善管注意義務・職業倫理/広告・営業/品位/法令等の遵守/不適切な個人・組織・反社等との関係/情報管理/その他禁止行為/支援機関向けの基本姿勢の11です。11の小項目をガイドラインの該当箇所に対応させると、通読のどこを厚く読むかが決まります。
解く型は2つで、4科目各1問のサンプルは独占業務の境界判定、禁忌肢のサンプルは事例の中で最も適切な対応を選ぶ状況判断の型でした(検討会第4回資料2)。この科目は、科目別50%(8問前後)に加えて禁忌肢を設定する方針が示された唯一の科目です(検討会資料の想定・現状案)。この科目の判断基準は、誤答した設問について、正しい行動をガイドラインの言葉で説明できるかです。
教材の選び方:5つの選択肢を「費用・問題数・解説・本番形式」で比べる
2026年11月3日時点で教材の選択肢は5つあり、公式の教材だけが公表されていません(過去問は初回の試験のため存在しません)。残る4つは、無料の一次資料、当サイトの無料問題78問、当サイトの有料の合格対策パック、市販の教材です。
図のとおり、5つの選択肢は「範囲と規範の土台」と「演習の量」の2つの役割に分かれます。一次資料は範囲と規範の土台で、問題として使えるのは公表サンプル5問(4科目各1問+禁忌肢のサンプル1問)です。当サイトの無料の診断と模試(10問クイック診断は登録不要・約5分、20問精密診断と本番想定60問模試は無料会員)は毎回同じ78問から出題され、解説が読めるのは10問クイック診断の後の一部と解説サンプル5問です。
市販の教材は具体名ではなく、出題科目詳細の小項目に対応しているか、出題に適用される法令・制度の基準日(令和8年3月末日)に合っているか、四肢択一で解説の根拠が一次資料のどこかを示しているかの3つで選びます(当サイトの基準)。
無料で足りるのは、一次資料を読み終え、無料の78問で4科目とも50%を上回り、初見の問題で120分の通しを重ねる必要を感じない人です。無料の78問で50%を割る科目が残る人や、初見の60問で通しを複数回行いたい人向けには、無料の78問とは別の問題を収めた有料の合格対策パックもあります。
模試の使い方:無料の60問は1回目に使い、終盤の通しは問題の重なりで選ぶ
模試は本記事の進め方で3回使い、1回目を第1週、2回目と3回目を第11週と第12週に置きます(当サイトの学習案)。1回目の目的は、120分で60問程度を解く感覚と、4科目の正答率が50%からどれだけ離れているかを知ることで、範囲を読む前なので点数が低くて構いません。受けた日のうちに、科目別の正答率と、知らなかった問題・迷った問題の区別を記録しておきます。
注意点は、当サイトの無料の診断と模試がすべて同じ78問から出題されることです。60問模試を2回受けると同じ問題が多く出るため、2回目以降の正答率は覚えた答えの分だけ高く出ます。時間配分の確認だけなら無料の60問模試をもう一度使えば足り、初見の問題で科目別の正答率まで測り直すには、無料の78問とは別の問題が要ります。
禁忌肢の備え:得点を伸ばす準備とは別に、踏まない準備をする
禁忌肢の備えは、倫理・行動規範の得点を上げる準備とは別枠で、選んではならない行為を確実に見抜く準備です。検討会第4回資料2は、4科目のうち倫理・行動規範にのみ禁忌肢を設定し、禁忌肢を設定した設問を複数設け、その一定数を誤答した場合に不合格とする設計を想定しています(検討会資料の想定・現状案)。目的は「倫理・行動規範に著しく反するような支援者を排除する」ことと記載されています。設問数と不合格となる誤答数は2026年11月3日時点で公表されていません。
公表された禁忌肢のサンプルは、譲り受け側の反社会的勢力との交友関係を確認しながら、成約や手続の進行を優先して依頼者に説明せず取引を進める行為でした(検討会第4回資料2)。備えは3つに絞ります(当サイトの学習案)。1つ目に、ガイドライン第3版から「不適切な個人・組織・反社等との関係」「情報管理」「その他禁止行為」にあたる箇所を抜き出します。2つ目に、依頼者に伝えるべき事実を伝えない、成約を優先して確認を省くといった行動を、言い回しが変わっても見抜けるかを演習で確かめます。3つ目に、倫理・行動規範の誤答を、知らなかった誤答と知っていて迷った誤答に分け、迷った誤答から先に見直します。
次の一歩:今日、本番想定60問模試の1回目で4科目の正答率を出す
今日できることは、無料会員登録をして本番想定60問模試の1回目を120分で受け、4科目のうち50%を割る科目を名指しすることです(120分が取れない日は、登録不要の10問クイック診断から始めます)。11月3日は12週の第1週の初日で、ここで重点科目が決まらないと、11月10日からの5週間に読むものが決まらないからです。無料会員登録をすると、診断と模試の科目別の正答率が保存され、11月30日・12月14日・1月11日の判断基準を保存された結果と比べて確かめられます。
中小企業M&A実務能力・倫理検定試験の対策は、何から始めればいいですか?
4科目の正答率を測るところから始めます。検討会資料の想定(現状案)では科目別50%の基準が4科目すべてにかかるため、50%を割る科目が分からないと読む順番が決まりません。10問クイック診断(登録不要)か本番想定60問模試(無料会員)で科目別の正答率を出し、最も低い科目を重点科目にします(当サイトの学習案)。
公式テキストや過去問はありますか?
公式テキスト・公式問題集・公式講座は2026年11月3日時点で公表されていません。過去問は、初回の試験が令和9年(2027年)1月28日(木)〜30日(土)に実施されるため存在しません。公表されている問題は、中小企業庁の検討会第4回資料2のサンプル問題(4科目各1問の4問+禁忌肢のサンプル1問・いずれも四肢択一)です。
無料の教材だけで対策できますか?
一次資料を読み終え、当サイトの無料の78問で4科目とも50%を上回り、初見の問題で120分の通しを重ねる必要がない人は、無料の教材に入門書を足す形で対策できます。初見の問題で通しを複数回行いたい人向けには、有料の合格対策パックもあります。
合格基準は何点ですか?
合格基準(配点・合格点)は2026年11月3日時点で公表されていません。検討会第4回資料2の想定(現状案)は、総得点70〜80%程度・科目別50%・倫理・行動規範の禁忌肢の3層です。全60問程度に当てはめると、総得点は42〜48問、科目別50%はM&A実務11問・倫理・行動規範8問前後・財務・税務7問前後・法務5問にあたります(当サイトの算出値)。