この記事の目次(10項目)
  1. 間違いノートを「3つの不合格ライン」に対応させる
  2. 記録するのは「問題」ではなく「間違えた理由」
  3. 科目を必ず書く——科目別50%(現状案)は科目ごとに判定される
  4. 倫理・行動規範の誤答は別のページに分ける
  5. 四肢択一では「切れなかった選択肢」を書く
  6. M&A実務の誤答は工程の順に並べる
  7. 回す間隔——同じ日に見直さない
  8. 書かないほうがよいもの
  9. 2026年10月14日時点で公表されていないこと
  10. 次の一歩:無料模試の誤答だけを3分類で書き出す

間違いノートを「3つの不合格ライン」に対応させる

中小M&A資格試験の間違いノートは、誤答を3つの不合格ラインに割り振る形で作ります。中小企業庁の検討会第4回資料2は、合格基準の現状案として総得点の70〜80%程度という水準、科目別合格最低基準50%程度、倫理・行動規範の科目での禁忌肢設定を示しました。3つの基準が並んでいるため、落ちる経路も3通りあります。

誤答を日付順に並べただけの記録では、この3通りを区別できません。総得点に数問足りないのか、1科目だけが50%程度を割っているのか、倫理・行動規範で踏んではいけない選択肢を選んだのか、それぞれ打ち手が違います。記録の時点で分けておかないと、復習のときに分け直す作業が発生します。

この記事は記録の作り方と運用に絞ります。模試を1回受けた直後に何を見るかは別記事の範囲です。

記録するのは「問題」ではなく「間違えた理由」

間違いノートに書く中心は、問題文の写しではなく誤答の理由です。問題を写すと作業時間の大半が転記に使われ、1回の模試で記録が止まります。中小企業庁が公表したサンプル問題は四肢択一で、正式なものが4問、参考として禁忌肢のサンプルが1問示されています。四肢択一では「正解を知らなかった」以外の落ち方があり、理由の側に情報が集まります。

当サイトでは誤答理由を3つに分けることを提案します。1つ目は知識の欠落で、用語や制度を知らなかった場合です。2つ目は読み違いで、設問が「適切なもの」か「最も不適切なもの」かを取り違えた場合や、主体を誤って読んだ場合です。3つ目は手順の抜けで、工程の順番や計算の途中で1段飛ばした場合です。

3分類にすると打ち手が自動的に決まります。知識の欠落は一次資料の該当箇所を読み直す対象になり、読み違いは設問の読み方を変える対象になり、手順の抜けは同種の問題を続けて解く対象になります。知識の欠落だけを一次資料で埋めても、読み違いの件数は減りません。

科目を必ず書く——科目別50%(現状案)は科目ごとに判定される

誤答1件ごとに科目を書いてください。科目別合格最低基準50%程度は科目ごとに判定される設計のため、誤答の総数より誤答がどの科目に集まっているかが重要になります。検討会第4回資料2は、科目別の出題割合の現状案として、M&A実務35〜40%程度、財務・税務20〜23%程度、法務17〜18%程度、倫理・行動規範25%程度を示しています。

出題割合が違うため、同じ誤答数でも科目によって意味が変わります。60問程度という設問数の現状案で計算すると、出題割合17〜18%程度の法務は10〜11問程度になり、この科目で5問落とすと科目別50%程度の水準に届きません。一方でM&A実務は21〜24問程度となるため、5問の誤答でも科目内の割合は小さくなります。

科目を書いていない記録では、この計算ができません。誤答の合計だけを見て「あと数問」と判断すると、1科目が基準を割っている状態を見落とします。

倫理・行動規範の誤答は別のページに分ける

倫理・行動規範の誤答は、他の3科目と同じページに混ぜないでください。検討会第4回資料2は、禁忌肢を設定する科目として倫理・行動規範を挙げ、禁忌肢の設問を複数設けて一定数を誤答した場合に不合格とする設計を現状案として示しています。総得点が高くても不合格になり得る経路がこの科目にだけあります。

分けて記録する際は、選んだ選択肢そのものを書き残してください。禁忌肢は「知らなかった」ではなく「支援者として取ってはいけない行動を選んだ」という形で現れます。どの行動を選んだかが残っていなければ、同じ判断を繰り返したかどうかを後で確認できません。

倫理・行動規範の出題割合は25%程度が現状案で、4科目のうち2番目に大きい割合です。禁忌肢という別経路があることと、割合自体が小さくないことの2点から、この科目の記録は独立させる価値があります。

四肢択一では「切れなかった選択肢」を書く

四肢択一の誤答では、正解の番号より「最後まで切れなかった選択肢」を記録してください。公表サンプル問題はいずれも四肢択一で、2つまで絞ってから外す形の誤答が起こります。この段階で迷った相手を記録すると、取り違えている知識の対が特定できます。

記録の形は「選んだ番号/正解の番号/最後まで残したもう1つ」の3つで足ります。同じ対が3回出てきたら、その2つの概念の違いを一次資料で確認する対象になります。正解の番号だけを書いた記録では、この対が見えません。

M&A実務の誤答は工程の順に並べる

M&A実務で誤答が複数出たときは、工程の順に並べ替えてください。中小M&Aガイドラインに掲載されている中小M&A専門人材(個人)向けスキルマップは、M&Aプロセスごとに求められる知識・スキルを体系的に整理したものとして策定されています。出題はこの工程の並びに沿って設定されるため、誤答も工程上の位置を持ちます。

工程順に並べると、誤答が1か所に固まっているか全工程に散っているかが分かります。1か所に固まっている場合は、その工程の前後関係を読み直す対象になります。全工程に散っている場合は、工程ごとの知識ではなく工程全体の順番そのものを覚え直す段階です。M&A実務は出題割合35〜40%程度が現状案で4科目のうち最も大きいため、この並べ替えの効果が最も出やすい科目になります。

回す間隔——同じ日に見直さない

間違いノートは記録した当日ではなく、数日後に開いてください。当日は問題文と答えを覚えているため、解き直しても知識が定着したかを判定できません。試験日は2026年10月14日時点で公表されていないため、逆算した固定の日程表は作れません。間隔のほうを決めて運用するほうが、公表後の予定変更に耐えます。

当サイトでは、記録から3日後に1回、2週間後に1回開く運用を提案します。3日後は誤答理由の3分類が正しかったかの確認に使い、2週間後は同じ分類の誤答が増えたかの確認に使います。読み違いの件数が2週間で減っていなければ、設問の読み方の手順そのものを変える段階です。

科目別の記録が溜まったら、科目ごとの誤答率を出してください。出題割合から計算した科目別の設問数に対して、誤答がどの程度の割合かが分かります。中小M&A資格試験には第1回が実施前のため過去問が存在せず、自分の誤答記録が実質的に唯一の蓄積データになります。

書かないほうがよいもの

間違いノートに公表されていない事項の予想を書かないでください。試験日、受験料、申込方法、受験資格、公式テキストは、2026年10月14日時点でいずれも公表されていません。予想の日程を前提に逆算した計画を記録に混ぜると、公表後にノート全体を作り直すことになります。

正答した問題の解説の写しも不要です。記録の目的は誤答の分布を見ることにあり、正答分を混ぜると分布が読めなくなります。一次資料の内容を要約して書き写す作業も、間違いノートとは分けてください。

2026年10月14日時点で公表されていないこと

試験日、受験申込方法、受験料、受験資格、合格率、受験者数、試験の正式名称、公式テキストは、2026年10月14日時点でいずれも公表されていません。合格基準の3つの水準と科目別の出題割合は、中小企業庁の検討会資料が示した現状案であり、確定した数値ではありません。

中小M&A資格試験実施事業の委託先は株式会社銀行研修社が採択されています。なお中小M&Aガイドラインに掲載されている中小M&A専門人材(個人)向けスキルマップのPDFは、2026年10月13日にP71・P72の誤植が修正されたと同ページに注記されています。

次の一歩:無料模試の誤答だけを3分類で書き出す

今日やる行動は1つです。無料模試を1回通しで受け、誤答した問題だけを「知識の欠落」「読み違い」「手順の抜け」の3つに分け、それぞれに科目名を添えて書き出してください。倫理・行動規範の誤答は別の欄に移し、選んだ選択肢そのものを残します。

最初の1回を記録しない限り、3日後と2週間後の比較対象が存在せず、この記事の運用は始まりません。無料登録をすると診断と模試の結果が保存され、次に受けたときの誤答分布と並べて比較できます。

間違いノートは紙とアプリのどちらがよいですか。

科目ごとの誤答数を後から数えられる形であれば、どちらでも運用できます。判断の基準は見た目ではなく、科目別の集計ができるかどうかです。科目別合格最低基準50%程度が現状案として示されているため、科目単位で数を数える作業が必ず発生します。紙の場合は科目ごとにページを分け、アプリの場合は科目を項目として持たせてください。

誤答理由の3分類は、どちらに入るか迷ったらどうしますか。

迷った場合は「読み違い」に入れてください。知識の欠落と読み違いで迷う誤答は、設問の条件を読み切れていない形が多く、資料を読み直しても件数が減りません。読み違いとして記録して2週間後に確認し、同じ論点で再び誤答していれば知識の欠落に移してください。分類は後から動かせる前提で運用します。

過去問がない状態で、間違いノートに十分な量が溜まりますか。

模試と科目別の確認問題を使えば溜まります。中小M&A資格試験は第1回が実施前のため過去問が存在せず、演習量は模試と確認問題で確保することになります。当サイトでは4科目それぞれの確認問題と禁忌肢の練習問題を公開しており、これらの誤答も同じ3分類で記録できます。記録の形式を模試と揃えておくと、後から合算して科目別の誤答率を出せます。

試験日が公表されていない今、間違いノートを作り始める意味はありますか。

あります。誤答の分布は数週間かけて溜めなければ読めないため、公表後に始めると分布が出るまでの期間を確保できません。試験日は2026年10月14日時点で公表されていませんが、記録の運用は間隔で設計するため、公表後に日程を差し替えるだけで続けられます。

今から何を準備すればいいですか。

無料模試を1回受けて誤答を3分類で書き出すところから始めてください。準備物は科目名を書ける記録先だけで、公式テキストは2026年10月14日時点で公表されていないため揃える対象になりません。1回目の記録ができた時点で、3日後と2週間後に開く2つの予定が決まります。