この記事の目次(9項目)
  1. 結論:公表された目安はない。当サイトの算出(案)は「初見で280〜500問」
  2. 前提:60問程度・120分・合格基準3層(すべて現状案)
  3. 逆算1:本番の科目別の問題数は少なく、1問の当たり外れで50%を割る
  4. 逆算2:演習で目指す正答率は「初見で各科目70〜75%以上・総合80%以上」(当サイト案)
  5. 逆算3:正答率を測るには、科目ごとに初見で40問が1つの単位
  6. 演習量の式と計算例(当サイトの算出・案)
  7. 数え方の注意:解き直し・禁忌肢・現状案の変更
  8. 手元の問題で式を埋める:無料・市販・合格対策パックの分担
  9. 次の一歩:60問模試で弱点科目の数を出し、自分の演習量を計算する

結論:公表された目安はない。当サイトの算出(案)は「初見で280〜500問」

中小M&A資格試験(仮称)に必要な演習の問題数は、2026年10月22日時点で中小企業庁からも実施団体からも公表されていません。試験は2026年10月22日時点で一度も実施されておらず、過去問は存在しません。合格者がどれだけ問題を解いたかというデータもありません。

それでも、公表された試験形式と合格基準の現状案から、必要な演習量を逆算することはできます。当サイトの算出(案)は次の式です。初見の演習量=60問×本番形式の通しの回数+40問×4科目+40問×弱点科目の数。この式で計算すると、4科目とも50%を大きく超えている人で280問、弱点が2科目の人で420問、4科目とも手当てが要る人で500問が目安になります。以下、式の3つの部品がどこから来るのかを順に示します。数字はすべて当サイトの算出(案)で、中小企業庁の公表値ではありません。

前提:60問程度・120分・合格基準3層(すべて現状案)

中小企業庁の検討会第4回資料2(2026年3月17日)は、4科目・設問60問程度・試験時間120分・CBT方式を現状案として示しています。公募要領(2026年3月27日)にも、合計4科目、設問数合計は最大60問程度、120分を想定と書かれています。公表サンプル問題は四肢択一です。

合格基準の現状案は、総得点70〜80%程度、科目別の合格最低基準50%程度、倫理・行動規範の禁忌肢の3層です。出題割合の現状案(M&A実務35〜40%、倫理・行動規範25%、財務・税務20〜23%、法務17〜18%)を60問に当てはめた科目別の問題数は次のとおりです。換算の詳しい考え方は、合格基準と得点配分の関連記事にまとめています。

科目出題割合(現状案)60問換算の問題数(当サイトの算出)50%に届く正答数(当サイトの算出)
M&A実務35〜40%21〜24問11〜12問
倫理・行動規範25%15問8問
財務・税務20〜23%12〜14問6〜7問
法務17〜18%10〜11問5〜6問
合計100%60問総得点70%=42問・80%=48問

逆算1:本番の科目別の問題数は少なく、1問の当たり外れで50%を割る

本番で1科目に出る問題は10〜24問程度(60問換算・当サイトの算出)しかありません。問題数が少ないと、実力が同じでも、その回にどの論点が出たかで正答数が動きます。法務が11問なら、1問の差で正答率は約9ポイント変わります。

この揺れを数字で見るために、当サイトは単純な前提(1問ごとに正答する確率が実力の正答率と同じで、問題どうしが独立している)で、本番の1科目が50%未満になる割合を計算しました(二項分布による当サイトの算出)。実際の試験は問題の難しさがそろっていないため、この表は揺れの大きさをつかむための目安です。

本番の科目(60問換算)実力60%実力70%実力75%実力80%
法務10問17%5%2%1%未満
法務11問25%8%3%1%
財務・税務13問23%6%2%1%未満
倫理・行動規範15問21%5%2%1%未満
M&A実務21問17%3%1%未満1%未満

表から分かるのは、問題数の少ない法務と財務・税務ほど、実力60%台では本番で50%を割る割合が大きいことです。実力70%でも、法務11問では1割近くが50%未満になります(当サイトの算出)。科目別50%は総得点で埋め合わせられない基準のため、演習では50%ちょうどではなく、上に安全幅を取った正答率を目指します。

逆算2:演習で目指す正答率は「初見で各科目70〜75%以上・総合80%以上」(当サイト案)

総得点の現状案は70〜80%程度と幅があり、確定した値は2026年10月22日時点で公表されていません。同じ前提で計算すると、60問全体の実力が80%の人が本番で42問(70%)に届かない割合は2%程度ですが、48問(80%)に届かない割合は4割を超えます(当サイトの算出)。基準が幅の上側で決まった場合に備えるには、総合で80%を上回る実力が要るということです。

そこで当サイトは、仕上がりの目安を「初めて解く問題で、各科目70〜75%以上、総合80%以上」としています(当サイト案)。これは合格を約束する水準ではなく、本番の1問の揺れで基準を割りにくくするための安全幅です。正式な合格基準が公表されたら、この目安も引き直します。

逆算3:正答率を測るには、科目ごとに初見で40問が1つの単位

自分の実力が70%台かどうかを確かめるには、測る問題数が必要です。10問で測った正答率は、1問で10ポイント動くため、70%と出ても実力が50%台の可能性を消せません。当サイトは、正答率の誤差の幅の目安を次の式で計算しています。誤差の幅(95%の目安)≒1.96×√(正答率×(1-正答率)÷問題数)。

1科目で測る問題数正答率70%のときの誤差の幅(当サイトの算出)読み取れること
10問±28ポイント50%台と80%台の区別がつかない
20問±20ポイント50%を超えているかの大まかな判断まで
40問±14ポイント70%台か50%台かをおおむね区別できる
80問±10ポイント仕上がりの確認に使える

必要な問題数は、式を逆にした「問題数≒3.84×正答率×(1-正答率)÷(許す誤差)²」で求められます。正答率75%・許す誤差15ポイントなら約32問です。当サイトは切りのよい40問を、1科目の正答率を測る単位にしています(当サイトの算出・案)。問題数の少ない法務も、本番の配分(10〜11問)ではなく40問で測るのが要点です。本番で出る数が少ない科目ほど、演習では多めに解かないと実力が見えません。40問は1つの論点に偏らせず、出題範囲一覧(検討会第4回資料3)に並ぶ科目内の小項目に散らして選びます。

演習量の式と計算例(当サイトの算出・案)

3つの部品をつなげると、初見の演習量=60問×本番形式の通しの回数+40問×4科目+40問×弱点科目の数、になります。60問の通しは120分の時間配分と科目別の現在地を測る回、40問×4科目は全科目の正答率を誤差±14ポイント程度で測る回、40問×弱点科目は手当ての後に弱点科目を初見の問題で測り直す回です。通しの回数を2〜3回としているのは、1回目で現在地、2回目で手当ての結果、3回目で仕上がりを見るためです(模試の回数の関連記事と同じ考え方)。

タイプ通しの回数弱点科目の数初見の演習量(当サイトの算出)演習にかかる時間の目安(当サイトの算出)
4科目とも50%を大きく超えている2回0科目120+160+0=280問約23時間
弱点が1科目ある3回1科目180+160+40=380問約32時間
弱点が2科目ある3回2科目180+160+80=420問約35時間
4科目とも手当てが要る3回4科目180+160+160=500問約42時間

時間の目安は、本番の平均と同じ1問2分で解き、解説を読む時間を1問3分と仮定して、1問5分で計算した値です(当サイトの仮定)。一次資料や中小M&Aガイドライン(第3版)を読む時間は含みません。全体の勉強時間の見積もり方は、勉強時間の関連記事で扱っています。

弱点科目の数は、最初の60問の通しで50%を下回った科目と、50%台で安全幅のない科目を数えます。測り直しても70%に届かなければ、その科目にもう40問を足します。式の答えは上限ではなく、測った結果で増減させる出発点です。

数え方の注意:解き直し・禁忌肢・現状案の変更

第一に、同じ問題の解き直しは演習量に数えません。解き直しは理解を固めるために欠かせませんが、答えを覚えた問題の正答率は実力より高く出ます。式の数字は、正答率を測るための初見の問題の数です。

第二に、倫理・行動規範の禁忌肢は、50%の計算とは別に扱います。禁忌肢を置く設問の数と、何問選ぶと不合格になるかの閾値は2026年10月22日時点で公表されていません。倫理・行動規範の演習では、正答率に加えて、間違えたときにどの選択肢を選んだかを記録し、顧客の利益に反する行動を選んでいないかを見直します。

第三に、式の前提はすべて現状案です。設問数・出題割合・合格基準の正式な値が公表されたら、科目別の問題数と目標の正答率を入れ替えて計算し直します。式の形(通し+科目別の測定+弱点の測り直し)は、数字が変わってもそのまま使えます。

手元の問題で式を埋める:無料・市販・合格対策パックの分担

初見の問題をどこから集めるかで、式の埋まり方が変わります。中小企業庁が公表した問題は、正式のサンプル問題4問(4科目各1問)と参考の禁忌肢問題1問の計5問です。出題の形を知るには欠かせませんが、正答率を測る数には足りません。

当サイトの無料の問題は、10問クイック診断(登録不要)、20問精密診断と本番想定60問模試(無料会員)で、全部で78問です。診断と模試は毎回この同じ78問から出題するため、2回目以降の模試は同じ問題が多くなります。無料の範囲で初見として解けるのは多くて78問で、10問・20問の診断のあとに60問模試を受けると、一部は同じ問題になります。

市販の問題集や通信講座を使う場合は、科目ごとに40問以上の問題があるか、選択肢ごとの解説と根拠資料があるかを確かめます。当サイトの有料の合格対策パック(9,800円・税込・一括払い・購入日から24か月)は、本番模試480問(60問×8回・120分)、論点別演習240問、分野特訓180問の計900問で、無料の78問とは別の問題です。弱点が4科目の500問でも900問の範囲に収まるため、全部を解く必要はありません。余った問題は、測り直しで70%に届かなかった科目と、追加の通しに回します。

中小M&A資格の過去問は何年分解けばいいですか?

過去問は存在しません。試験は2026年10月22日時点で一度も実施されていないためです。公表された問題はサンプル問題4問と参考の禁忌肢問題1問の計5問で、いずれも四肢択一です。過去問の代わりに、初見の問題で科目別の正答率を測る数を演習量の基準にします。

同じ問題集を何周すればいいですか?

周回数に公表された目安はありません。当サイトは、解き直しは選択肢ごとの理由を説明できるまで続け、正答率の測定には初見の問題を使うことをおすすめしています(当サイト案)。周回数は演習量の式には入れません。

1日に何問解けばいいですか?

式で出した演習量を、試験までの日数で割ります。たとえば420問を12週間(84日)で解くなら1日5問、1問5分の仮定で1日25分です(当サイトの算出)。試験日は2026年10月22日時点で公表されていないため、まず今日から12週間などの仮の期間で割り、公表されたら引き直します。

合格対策パックの900問は全部解かないといけませんか?

全部解く必要はありません。式で出した演習量は280〜500問(当サイトの算出・案)で、900問の中に収まります。残りの問題は、測り直しで70%に届かなかった科目の追加と、本番形式の通しの追加に使います。

今から何をすればいいですか?

最初に、本番想定60問模試(無料会員)を120分で1回解き、4科目の正答率を出してください。50%を下回った科目と、50%台で安全幅のない科目を数えれば、式の「弱点科目の数」が決まり、自分の演習量が計算できます。

次の一歩:60問模試で弱点科目の数を出し、自分の演習量を計算する

今日できることは、無料会員登録をして本番想定60問模試を120分で1回解き、4科目の正答率を式に当てはめることです。試験日は2026年10月22日時点で公表されていませんが、演習量が決まれば1日の問題数を今から割り出せます。無料会員の診断と模試の結果はマイページに保存され、次の測定の結果と比べて弱点科目が減ったかを確認できます。